東南アジアの中でも、経済が成長しているのがシンガポールです。アジアNIESの中でも群を抜いています。しかし、すでに生活水準が日本並のシンガポールは、経済成長性が乏しく低成長期に突入しています。
それゆえ、今後経済成長が大きく見込める東南アジアの国として注目されているのがマレーシアです。マレーシアは、周辺諸国に比べて国民のGDPも年10,000ドルほどと高水準で政情が安定しているのが魅力です。
現在は国家戦略として商品の付加価値化を押し進めており、ハラール認証の認可事業など新たなビジネスも生まれています。そんな魅力あふれるマレーシアのおすすめ株銘柄をご紹介します。
世界的に知られる「ネスレマレーシア」
nestle.com.my
投資初心者の場合、マレーシアの企業よりも世界的企業の現地法人の株も選択肢の一つといえるでしょう。すでに世界的に知られており、現地の人にも受け入れられている企業の一つがネスレです。現地法人のネスレマレーシアは、インスタントヌードルやコーヒー、チョコレートの製造や販売を行っています。
日本同様にアドバイザー事業も展開している他、原料調達拠点もマレーシアのクアラルンプールに開設しています。ネスレの商品の一つであるミロは、定番食品として親しまれており、飲料のみならずアイスやビスケットなども販売されています。ネスレ商品がレストランなどで提供されることも多く、大きな市場需要をうかがわせます。
マレーシア随一の銀行「マラヤンバンキング」
malayanbank.com
マレーシアを代表する商業銀行がマラヤンバンキングです。銀行業だけでなく、保険や証券、リース事業など手広く行っています。マレーシアにとどまらず、ASEAN全域に銀行を持ち、インドネシアやシンガポールを中心として世界に2200店もの支店を展開しています。ロンドン・ニューヨーク・香港・バーレーンといった国際金融センターからの資本も投入されている企業です。
現地ではメイバンクという通称で知られ、子会社のメイバンクイスラムは、イスラム銀行として配当金や手数料で利益を上げています。今後も宗教の別を問わず顧客獲得が見込まれ、インターネットバンキングの利用拡大にも期待が寄せられるところです。
カジノ収益が魅力の「ゲンティングループ」
genting.com
ゲンティングループは持株会社で、レジャー事業や不動産業、金融業など様々な分野に進出しています。特に注目を浴びているのが、リゾート開発事業で、小会社にはゲンティンマレーシアがあります。
現在、マレーシアは外国人観光客数で世界12位というリゾート大国です。ボルネオ島やランカウイ島のリゾート開発に力を入れており、官民合わせて観光資源を活用しています。
ゲンティングループは、ホテル事業を行っている他、ホテル内にはカジノやテーマパークなどが併設されており、特にカジノ収益は独占状態です。マレーシアに限らず海外進出を果たしており、フィリピンやシンガポールでもカジノ運営で収益を上げています。
パームオイルを基軸に成長を遂げる「IOIコーポレーション」
ioigroup.com
マレーシアは、パームオイルの生産地として有名です。IOIコーポレーションは、プランテーション運営を主とする複合企業です。パームオイルの加工産業の世界的企業でもあります。天然ゴムや油ヤシの栽培から加工までを一手に引き受けています。
子会社を設立して建築業や不動産事業に乗り出しており、幅広く土地開発を行っています。インドネシアにも開発地域を広げています。
主力がパームオイルのため、資源価格によって株価の影響も受けやすい企業ですが、最近は不動産取得を加速させ、リゾートホテルやゴルフ場経営で収益を確保しています。
今後利用が期待される「エアアジア」
airasia.com
エアアジアは、マレーシアの国内・国際路線サービスを提供する航空会社です。格安航空会社として、インドネシアやフィリピンなどの東南アジアに路線を持っているのが強みです。近年は、東南アジアの路線のみならず、日本やインドといったアジア圏に路線拡大もしています。
小会社には、旅行運営会社や航空機リースを行う企業もあります。近年は航空事業のみならず、金融業やコーヒーや紅茶といった嗜好品を取り扱う事業も展開中です。配当金も年5%以上と高配当株としても知られています。
日本企業の進出も加速するマレーシア
マレーシアは、2020年までに先進国入りを国家戦略として掲げています。天然ガスや石油などの鉱物資源に恵まれているだけでなく、ITインフラも整備され、経済成長も5%を堅調に推移している国です。
実は日本企業の進出も加速しており、セブンイレブンが現地法人のセブンイレブンマレーシアを上場している他、楽天もネット専業の楽天トレードを展開中です。現地法人のケナンガグループと業務提携して2017 年5月よりサービスを開始しています。
今後、マレーシア全体で世帯収入の上昇等が起こり、国内経済が活発になれば、さらに現地企業の収益力も上がることが期待されます。海外進出を果たしているマレーシア企業も多く、成長力も高いのが魅力です。
≪記事作成ライター:Saya≫
川村学園女子大学非常勤講師(専門分野:アジア宗教史)、中高一貫校で社会科非常勤講師をしつつ、分かりやすい海外情勢・投資情報を提供している。Sayasayanの株日記
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