投資にはリスクが伴うため、多額の資金をつぎ込むと貴重な財産を失いかねない…このため、失ったとしても大丈夫な程度の資金をつぎ込む投資が普及してきている。

主要サービス

1)クレディセゾン 永久不滅ポイント
2)楽天スーパーポイント
3)ドコモ dポイント
4)au WALLET ポイント
5)Ponta
6)Tポイント

1つは、買い物をした際に出るおつりを投資に回すおつり投資である。もう1つは、買い物の際に付与されるポイントを投資するポイント投資である。

少額投資とは言え、投資で気をつけなければいけないのは税金と確定申告の問題である。

通常の証券口座には税金が徴収され確定申告不要の口座も存在するが、おつり投資・ポイント投資ではその口座を使うとは限らず、ポイント投資に関しては税制上の扱いも一般の投資と異なる場合もある。

一般口座と特定口座の違い

まず通常の証券口座では、確定申告が不要なものとそうでないものがあることを理解したい。

特定口座は、確定申告の簡便化のために設けられた制度である。特定口座を開設すれば、年間取引報告書が発行され、年間の所得がひとめでわかる。年間取引報告書は、各業者で若干の差異はあるものの、数値を記載した箇所に関しては概ね書式は統一されている。

国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、年間取引報告書を転記する形で申告手続きが可能である。

なお先物取引・CFDの口座では、特定口座を選択することはできないが、各業者の独自様式で用意した年間損益報告書が発行されることが多い。

特定口座における源泉徴収の有無

税制上特定口座のメリットとして挙げられるのは、株式や投信信託の取引(売却益)に対する税金を金融機関側に徴収してもらうことができるということである。

売却益(譲渡所得)に関しては、通常所得税15.315%・住民税5%がかかるが、売却時に徴収される。ただし徴収してもらうには、源泉徴収ありの選択をしなければならない。源泉徴収なしにすることも可能である。

売却益をあげた場合は原則確定申告が必要であるが、源泉徴収ありの特定口座で生じた売却益に関しては確定申告不要である。

なお複数の口座を開設していて、他の会社の口座で生じた損失と相殺するには確定申告が必要である。このような確定申告を行うことで、所得税の還付をうける楽しみもある。

ただしデメリットもある。源泉徴収無しの特定口座や一般口座であれば、給与所得者で年間20万円以下の所得しか生じていない場合は、所得税の確定申告は不要である。

この意味で確定申告不要になれば、最大で20万円×15.315%=3万円強の所得税は免除となる。対して源泉徴収ありの場合は、3万円もきっちり徴収される。なお住民税に関しては、申告が必要であり免除とはならない。

また税金以外の資金的なデメリットして、売却するたびに税金が徴収されるので、短期的に回転売買したい場合に資金効率が落ちるというものもある。

社会保障における特定口座の位置づけ

特定口座で源泉徴収を選択するかどうかは、社会保障に影響することにも気をつけたい。

自営業者など会社の健康保険に加入していない場合、自治体の国民健康保険や広域連合の後期高齢者医療保険に加入する。この保険料は、住民税の課税対象となる所得に基づく。

このため、源泉徴収されていて申告の必要もないのに申告対象とすると保険料が上昇してしまう危険性もある。国民健康保険や後期高齢者医療保険に加入している場合は、源泉徴収ありを選択することで保険料上昇を抑えられる。

なお同じ社会保障でも、全く影響がないものもある。児童手当や国民年金保険料免除で考慮する所得だ。

一般口座・特定口座関係なく、株式取引で生じた譲渡所得全般が所得制限の対象外になる。ただし、先物取引・CFDによるものは先物取引に係る雑所得等となり、これは所得制限の対象となる。

おつり投資の証券口座

おつり投資を行うためには、取引のための証券口座を開設することになる。取引の対象は国内外の株式・投資信託(ETFを含む)である。

このため、一般口座を選択した場合は自分で売買益(譲渡所得)を計算する。特定口座を選択した場合は、源泉徴収の有無を選択する。

税制上の取り扱いは一般の証券取引と同じであり、売買益は譲渡所得に該当する。

源泉徴収あり特定口座しか選択できない金融機関も

ただおつり投資の中には、例えばTORANOTEC投信投資顧問トラノコのように、開設できる口座が限定されているものもある。トラノコは、源泉徴収ありの特定口座しか開設できない。

おつり投資は少額投資のため、所得20万円以下におさえられるケースも多々考えられるが、源泉徴収ありの特定口座だと、20万円以下しか所得が無いサラリーマンでも必ず所得税負担しなければならないことに注意したい。

ポイント投資の証券口座

ポイント投資の口座は、おつり投資や一般の株式投資と同じ証券口座を使う場合と、そうでない場合がある。

ポイント投資はポイントを現金に換えて運用する「現金運用型」と、株や投資信託の値動きに連動してポイントが変動する「ポイント運用型」に分かれる。

SBIネオモバイル証券Tポイント投資のような現金運用型は、一般の株式投資と同じ一般口座や特定口座を開設する。譲渡所得が非課税となるNISAで取引が可能な業者もある。インヴァスト証券のようにCFDで差金決済するものは、口座の種類は選べない。

一方でNTTドコモのdポイントや、セゾンの永久不滅ポイントなどの投資では、口座でのポイント投資ではなく、ポイント運用型になる。

楽天スーパーポイントは現金に換えて運用する型と、ポイントのまま運用するタイプの両方に対応している。

ポイント投資の所得分類

ポイント投資の所得については、国税庁は明確な回答を示していない。ただしポイントの使用に関しては、一時所得に該当するとした事例がある(国税庁No.1490 一時所得 Q&A)。

ここでは、取引の実態から所得分類について解説する。ポイント投資については、現金運用型とポイント運用型の2種類に分けて考えたい。

現金運用型の所得

ポイントを現金化した時点でポイント使用したことになるが、ポイントは法人からの贈与と言う扱いで一時所得に該当する。

続いて現金化した後に金融商品に投資して運用した場合であるが、楽天スーパーポイントによる積立投資の対象は投資信託のため、これは通常の投資と同じ上場株式等の譲渡所得に該当する。NISA口座で取引していれば非課税である。

先物・CFD・FXなど差金決済を行った場合は先物取引等に係る雑所得等に該当するが、税率は上場株式等の譲渡所得と同じである。インヴァストポイントの投資はCFDなので、こちらに該当する。

上場株式等の譲渡所得と先物取引等に係る雑所得等は、損失が生じた場合に損益通算や3年間の損失繰越が可能である。ただし、両者をまたいでの損益通算はできない。

例えば先物取引の20万円の損失と、上場株式の20万円の所得を損益通算することはできない。

ポイント運用型の所得

ポイント運用型は、付与されたポイントを投資に回し、投資した金融商品が値上がりすればポイントは増え、下落すれば減る。

ポイントを使って金融商品を所有するわけではなく、あくまでも金融商品の時価変動に応じてポイントも変動する。またポイントは付与された段階では課税されず、使用した段階で課税される。

このような実態と課税のあり方から考えると、運用益は現金運用型のような譲渡所得にはならない。運用前に課税されることはなく、運用後にポイントを使用した段階で一時所得となると考えるのが妥当である。

ポイント使用時の金額を1月~12月で合計し、他の一時所得と合算した上で年間50万円を超えなければ、課税される一時所得は発生しない。

なお少数ながら一時所得でなく雑所得に該当するとの見方もあるが、CFDのような分離課税ではなく総合課税である。一時所得にも(総合課税の)雑所得にもなりうる収入として話題になったのが、競馬の払戻金でありこれが参考になる。

原則は一時所得であるが、機械的・頻繁にレースの馬券をソフトで高速売買していたような特殊な事例では、雑所得として認められた。

同じような形で金融商品の運用を行っているならば雑所得と認められる余地はあるが、少額で長期投資向きというポイント投資の性格から考えると、これは競馬の払戻金よりもさらにごく限定的なケースと言える。

いずれにしろ、一般的な株式・投資信託の売買とは扱いがかなり異なる点には注意を要する。

 

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