Pocket

11月8日に控えたアメリカ大統領選の動向を受け、株式市場および為替市場は大きく変動しています。今回は現役の投資・トレーダー兼資産運用特化ファイナンシャルプランナーとして活動している立場から、大統領選の行く末とそれに関わるマーケット相場変動をまとめたいと思います。

彷彿とさせられる「EU脱退のイギリス国民投票」

今回の大統領選ですが、この一連の流れはどことなく約半年前にイギリスで行われた「EU脱退の国民投票」を彷彿とさせます。

直近で発表されたヒラリー氏とトランプ氏の支持率はわずか一ポイント差でトランプ氏が優性。当日の投票動向のいかんのよってはどうとでも結果が転ぶ状態となっており、マーケットは過敏に反応しています。特にクリントン氏であればドル高円安、トランプ氏であればドル安円高に振れると想定されていた為替市場ではボラティリティ(変動率)の上昇が顕著で、為替相場も105円台前半をつけていたのがわずか1週間足らずで102円台後半までリスク回避による円高が進んでいます。

ブルームバーグ社で公開されたトレーダーインタビューなどでも「大統領選の結果が出るまで、当日は眠れない夜を過ごすだろう」というコメントが出ており、相場状況は読めず、マーケット動向に注目が集まっています。

 

- スポンサーリンク -
- スポンサーリンク -
- スポンサーリンク -

大統領選の推移と予測

これまでの大統領選ですが、終始クリントン氏有利で進んでいました。

トランプ氏による差別的な発言や公開討論会における余裕のなさから、「クリントン氏のほうが大統領に優れている」という見方を有識者は行い、それに比例するかのように支持率もクリントン氏が優勢でした。そのためマーケットもクリントン氏が大統領になるということを織り込み、緩やかにドル高円安が進行していました。

しかし急遽旗色が変わったのが先週のFBIによる発表です。クリントン氏のメール問題についてFBIが捜査を再開したという内容です。クリントン氏は過去、機密情報を扱う状況において政府から交付されるメールアカウントではなく個人のアカウントで送付を行っておりました。アメリカでは機密情報等を取り扱う際、全てデータは保存・保全されなければならないと定められており、メール文章であっても公文書として扱われ、漏洩させた場合は罪に問われます。この機密情報の取り扱いが「あまりにも軽すぎた」というのが司法側の主張です。

尚、クリントン氏は当時、個人アカウントでメール送付を行っていたことを認めており、「過去を振り返ると軽率であったと思うが、当時は問題視していなかった」として問題行動が合ったことを認める旨の発言を記者インタビューにて行っています。そのため不用意な行い自体はすでに「事実があった」と認められており、あとは、司法が「当時の行いは罪にあたるか否か」を判断する段階であるというわけです。

これを受け、クリントン氏に対する不安が芽生えた有識者は大統領選の事前指示に戸惑いを覚え、結果としてトランプシが僅差ではありますが1ポイントリード、トランプ氏が大統領となった折にはマーケットリスクが上昇するという見方をプロは行っているため、リスク回避による円高が進行し、105円台から102円台まで推移した、というのが直近の動きです。

尚、FBIの捜査結果が公表されるのは大統領選が終了した後になると現状では公表されており、先行きは非常に不透明となっており、プロであっても相場の流れは予測不可能であるとされています。

※11月7日追記

その後、大統領選にあまりにも影響すると判断されたのかいったんFBIは「起訴しない方向で進めている」との速報リリースを発表しました。とはいえこれで有権者の不信感を払拭できたか否かは現状まだ不透明ですので、予断を許さない状態です。

参照:日経新聞「FBI、クリントン氏不起訴を維持 メール問題」 http://www.nikkei.com/

- スポンサーリンク -
- スポンサーリンク -
- スポンサーリンク -

投資家へのFPとしてのアドバイス

結論から申し上げてしまうと、投資家の方は大統領選終了後、マーケットが落ち着きを取り戻すまで金融商品を現金化し、「嵐が過ぎるのを待つ」というのがもっとも合理的かつリスクが低い投資方法です。

現状、プロの運用者であっても相場はどちらに転ぶか分からない状況です。現役ディーラーの方などは業務として行っている関係上、「マーケットから出て運用を一休みする」という戦略は取れないので嫌が応にも嵐の中に飛び込まなければなりませんが、個人もしくは完全自己裁量で運用を行っている方はその限りではありません。

そもそも投資とは、「通常、上がるか下がるかは極論50%ずつ。その50%を分析およびマネーマネジメントで60%、70%と勝率を上げ、トータルでプラスにする」というのが本分です。

つまり、「どちらに転ぶか分からない」という中でマーケットに資金を投入するというのはすなわち「投資(運用)」ではなく「投機(ギャンブル)」です。手堅く資金を増やしたい方であれば、こういった流れには飛び込まない方が良いでしょう。

もっとも、「損するリスクを大きく取ってでも、お金を増やしたい」という方針であれば止めることはいたしません。運用においては基本的に「リスク=リターン」です。お金を失う可能性が高いということは、逆に増える可能性も高いということです。

こういった相場のタイミングにこそ、個々それぞれ自身が「運用に求めているポイント」を再度明確化し、それに応じたポジショニング戦略をとりたいものです。

 

- スポンサーリンク -
- スポンサーリンク -
- スポンサーリンク -

 

Financyの新着記事を
お届けします!

バタフライファイナンシャルパートナーズ代表。 資産運用・ファイナンスを利用したライフプランニング専門FP。OECU資産運用学部2期卒業生、その後不動産投資を目的としたコンサルティング業務に従事後独立し、自身の資産を含むクローズエンド型の投資組合も保有・運営している。