近年、オルタナティブ投資と呼ばれる新たな投資が注目を浴びています。

オルタナティブ投資は株式や債券以外への投資

オルタナティブ投資とは、従来の株式投資や債券投資といった伝統的な資産とはまた別の資産に対する投資です。これだけだとちょっとわかりづらいですが、基本的に株式と債券以外への投資は全部オルタナティブ投資であると考えてもいいでしょう。

一口にオルタナティブ投資と言ってもその対象は様々で、投資する対象によってメリットやデメリットも全く違いますが、株式や債券とはまた別の値動きをする物が多いので、株式や債券と組み合わせることによってリスクヘッジにつながることは間違いありません。

不動産投資

不動産投資とは、その名の通り不動産を使って利益を得る投資です。具体的には、マンションやアパートを購入して賃料収入を得たり、物件を購入時よりも高い金額で売ったりする投資です。

不動産投資のメリットは、不動産自体に価値があることです。株式や債券はそれが持つ意味に価値があるのであり、株式や債券自体は単なる紙切れです。その為、一旦発行元が倒産してしまえば全く無価値になります。

それに対して不動産は建設業者や管理会社が倒産しても、それで価値がなくなることは全くありません。これが不動産投資の最大の強みと言えます。

反面、空室リスクや家賃滞納リスク、災害リスクなど、株式や債券などにはないリスクもあります。総合的にはミドルリスク・ミドルリターンな投資といえます。

コモディティ投資

コモディティ投資とは、様々な「商品」を使って利益を得る投資です。具体的には原油やガソリンなどのエネルギー、禁やプラチナ、銀などの貴金属、穀物などが投資の対象です。コモディティ投資は基本的に、その商品の需給がそのまま価格に反映されます。商品の需要が供給よりも多ければ価格は上昇し、需要が供給よりも小さければ価格は下落します。

また、株式や債券と言った伝統的な金融商品と比べると市場規模が小さく、それゆえに価格も急変しやすいという性質があります。その為、全体的にはハイリスクハイリターンな投資といえます。

デリバティブ投資

デリバティブ投資とは、債券や株式、あるいはコモディティなどから派生した金融商品を使って利益を得る投資です。デリバティブ投資は大きく先物取引、オプション取引、スワップ取引に分類できます。

先物取引とは、事前に売買価格や数量を約束しておき、後日売買を行う取引形態です。最初に取引価格を決めるので、価格変動する商品に必ずついて回る価格変動リスクを回避できるというメリットがあります。反面、価格が値下がりした場合でもその約束した価格で買わなければならないというデメリットもあります。将来価格が値上がりすると考えられる商品に投資するのがポイントと言えます。

オプション取引とは、事前に売買価格や数量を約束しておき、後日売買を行う権利を売り買いする取引です。先物取引とは似ていますが、こちらは事前に売買の約束をするのではなく、売買を行う権利を買うだけです。その為、価格金下がっていたときにはその価格で買わなくてもいい、というメリットがあります。反面、権利を買うのに使ったお金は無駄になってしまいます。

スワップ取引とは、等価のキャッシュフローを交換する取引です。同じ種類の通貨で異なる種類の金利(固定金利と変動金利)などを交換する取引を金利スワップと言います。金利スワップでは元本は交換せず、利息部分のみを交換します。

例えば、Aさんは固定金利でお金を借りていますが、将来は利息が下がると予想しており、変動金利にしたいと考えています。一方、Bさんは変動金利でお金を借りていますが、将来は利息が上がると予想しており、固定金利にしたいと考えています。この両者が金利を交換するのが金利スワップです。どちらが最終的に得をするのかは、時間が経たなければわかりません。

分散投資がリスクを減らす

このように世の中には、株式と債券以外にも様々な投資先があります。異なる投資先に少しずつ投資することによって、大損するリスクを少なくすることができます。

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