ビットコインと元との相関に異変、金との比較でも突出しています。
2016年の後半よりビットコインが急上昇を続けました。2014年3月のマウントゴックス事件以前の高値を9月に超えてきており最高値を更新しました。一方、中国の人民元のレートも9月以降ドルに対して下落して、リーマンショック以前の2008年1月に水準となっている。ビットコインと中国の元は逆相関で動くと判断すべきでしたが2月は元安の中でビットコインが再び高値を更新して異変がありました。
金との価格の比較でもビットコインの上昇の速度が速いことが分かります。
ビットコインと元の逆相関のメカニズムにも異変
(1)中国の外貨準備高は、2014年6月にはピークの4兆ドルとなっていたが、昨年8月のチャイナショック以降減少を続けて2017年2月末には3兆50億ドルとなり1月に割り込んだ3兆ドルを回復しました。ソシエテ・ジェネラルは、かねてより国際通貨基金(IMF)の指針では中国にとって安全といえる外貨準備の最少額は2兆8000億ドルで、現在のペースで減少を続ければ間もなく到達するとみる。今のペースで行くと2017年7月頃にはその水準に到達しそうです。
(2)「インターネット上の仮想通貨ビットコインの世界取引が拡大している。円換算した11月の売買高は15兆円超と前月に比べ5割増え過去最高になった。けん引役は中国で、全体の9割を占めた」と先ごろ日経が報じています。
(3)現在中国では個人1人当たりの外貨両替は年間5万ドルに制限されている。
(1)~(3)の事実により、元→ドルには規制があるので、元→ビットコイン→ドルと中国人が資本を逃がした買いがビットコインを上昇させていましたが、中国の当局の資本規制がより厳しくなっているのでメカニズムにも異変が出ています。
ビットコインの時価総額と位置づけ
ビットコインの妥当な価格は、理論的に判断するのは難しいです。ビットコインの時価総額は2017年に入って、200億ドルに迫って来ました。アメリカの通貨供給量であるマネーストックの伸びと比較しても2016年後半以降の値動きはバブルです。発行数が2100万枚までに制限されているので金のように希少価値があり、ドルがまた量的緩和などをするようなことがあれば希少価値で価格が上昇していく仕組みですがビットコインの時価総額の増加速度に異常さを感じます。
2月上昇の原因はETFへの思惑
ビットコインは1月5日に最高値を更新しましたが、中国当局がビットコイン業者に立ち入り検査に入るなど規制を入れてきたので一時800ドルを割れて再び1000ドルを回復して来ました。 1ヵ月間で40%ものボラティリティでしたが、今度はウィンクルボス兄弟が申請していたETF(上場投資信託)への思惑で過去最高値を更新しましたが、10日に米当局が申請を承認せずの報道で急落しています。
次の展開はマーケットメーカーに関する報道
ETFが承認されなかたことで、ビットコインの相場はまた調整に入ると思われます。次の展開はまたETFの承認待ちです。米当局は、原資産の値動きからの乖離(かいり)をいかに最小限に留められるかどうかで判断すると思われます。中心的役割を果たすのが、指定参加者(authorized participant、略称AP)という存在だ。裁定取引で、乖離を解消させる役割を担います。
ビットコインの場合、実績のあるマーケットメーカーが育っていません。今後はマーケットメーカーに関する記事に注目して行きたいです。
最後になりますが、ビットコインの値動きは極めて荒いのは相変わらずですので少額からの投資に留めて資金管理をしっかりして頂きたいです。
- スポンサーリンク -
- スポンサーリンク -
- スポンサーリンク -