一般的に、高所得者は宝くじを買いません。逆に貧乏な人ほど、宝くじに夢を託します。一体なぜでしょうか。

宝くじは全てのギャンブルの中で最も還元率が低い

あまりにも世の中に浸透しているので忘れがちですが、宝くじは立派なギャンブルです。そして、宝くじの還元率(投資したお金に対して帰ってくるお金の割合)は、全ての合法的なギャンブルの中で最も低く設定されています。

日本には様々な種類の宝くじがありますが、その中でも最もメジャーな「ジャンボ宝くじ」の還元率は約47%です。つまり、100円分買うと、平均して47円返ってくるわけです。もちろん、宝くじはごく少数の高額当選くじと多数のハズレくじから成り立っているので、実際には100%、1000%、あるいは10000%を超えることもなくはないのですが、実際には20%を切るケースが遥かに多いです。

一方、公営のギャンブル、いわゆる競馬、競輪、競艇などの還元率はいずれも約75%です。これでも高いとはいえませんが、宝くじと比べるとだいぶ良心的です。パチンコの還元率は85%と更に高くなっています。

一方、外国にあるいわゆる「カジノ」で提供されているギャンブルの還元率は概ね95%程度と、かなり高めに設定されています。特にブラックジャック(手札の数字の合計でディーラーと勝負するゲーム。21を超えず、なおかつ21に近い数字の人が勝つ)は状況によっては還元率が100%を超えることもあります。

高所得者の人はこのような世の中の仕組みを十分に理解しているので、宝くじを買わないのです。

宝くじの収益は誰のものになる?

宝くじの売上の内、47%は前述の通り当選金に充てられます。残りの53%のうち、13%は印刷経費や売りさばき手数料などの経費と社会貢献広報費に充てられます。それ以外の40%の部分は収益金として発行元である都道府県や指定されている20の都市に配分され、少子高齢化対策、あるいは防災対策、教育、社会福祉施設の建設などの公共事業に使われます。

もちろん地方自治体は地元の人達のためにお金を使うわけですが、宝くじをせっせと買うことは、地方自治体に寄付をしているのとあまり変わりない行為といえます。それならばふるさと納税でもして、謝礼品をもらったほうがよっぽどお得です。

夢は買うものではなく自力で叶えること

宝くじを買うのは夢を買うようなものであるから、還元率とかは関係ない、という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、夢というのは本来、お金で買ったり、運に頼ったりするものではなく、自分の実力で叶えるものです。お金持ちの人は自らの行動が夢をかなえるために最も重要であることを知っているので、宝くじで夢を買うと言ったようなことはせず、それよりももっと具体的で確実な行動、例えば仕事、勉強、社交、投資などに時間を注力します。

一方、貧乏な人ほど自力で自分の未来を切り開こうとはせず、宝くじのような運任せの一攫千金を夢見続けます。そしてその夢は大抵の場合叶うことなく、特に何を成し遂げるでもないまま人生を終えていきます。どちらの人生を選ぼうが人の勝手と言われればそのとおりですが、個人的には自力で自分の人生を切り開く方が楽しいのではないかと思います。

というと、貧乏な人は大抵自分の貧乏を社会に責任転嫁します。世の中は不公平だ、と言い出す人もいます。しかし、世の中が完全に平等になったら、今自分が貧しいと思っている人はさらに貧しくなるはずです。日本の貧乏な人は、世界の平均的な人よりも遥かにいい暮らしをしているからです。世界に対する想像力もなく、狭い範囲で他人と比較して自分は不幸だといじけているようでは、成功はまず望めないでしょう。

宝くじに当選しても不幸になる!?

イギリスのカリー・ロジャーさんは、2003年7月に16歳にして宝くじで300万ドルの高額当選を果たしました。しかし、急に金持ちにあった彼女は散財を繰り返し、わずか6年で当選金を全額使い果たしてしまいました。その後彼女は自殺を試み、麻薬にも手を出してしまいました。

アメリカのジャック・ウィテカーさんは、59歳の時、当時最高額であった3億ドルの当選金額を手に入れます。しかし、その後泥棒に狙われ、友人には次々と借金の申し込みを受け、人間不信に陥り、妻とは離婚。孫娘は薬物中毒で死亡し、酒浸りの生活となってしまいました。

ウィテカーさん自身は元々建築ビジネスで従業員約100人を雇う成功した経営者でしたが、そんな彼でも3億ドルの前に正気を保つことはできませんでした。

イブリン・アダムスさん(出身国不明)は、1985年、1986年と2年連続で高額当選を果たし、合計で540万ドルを手にしました。しかし、ギャンブル好きが高じて全財産をあっという間になくしてしまい、現在は唯一の財産であるトレーラーで生活をしています。

イギリスのヴィヴィアン・ニコルソンは、1961年に15万2300ポンド(現在価値で約4億円)を手にしますが、ブランド品や車、旅行などで贅を尽くし、たった5年で賞金を使い切ってしまいます。その後は5回再婚の末アルコール中毒になり、精神病棟に入院。現在は週87ポンド(約1万円)の年金で生活しています。

このように、宝くじの高額当選はむしろ人を不幸にします。急にその人の能力を上回る大金を与えられると、どうしてもたかが緩んでしまうのです。本人に自制心があっても、周囲の人間が壊れてしまうこともあります。もともとかなり裕福でお金との付き合い方を知っていたウィテカーさんすら、金の魔力には抗えませんでした。

ほとんどのケースにおいて当選せずにただ金を失い、万が一当選しても不幸になる。宝くじを買うならそれらも覚悟の上、購入しましょう。

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金融・ 経済関連の記事をメインとしたフリーライターをしています。様々なジャンルの本を読み漁っていますので、 自分の記事が投資家の皆さんの利益となるように情報発信に努めていきます。