債務が返済できない場合は、債務整理という手続きによって借金を整理することになります。債務整理と一口に言っても色々ありますが、その中でも最もメジャーかつ借金の圧縮幅が大きいのが自己破産です。
自己破産は借金を唯一チャラにできる制度
自己破産以外の債務整理には任意整理や個人再生などがありますが、これらはいずれも借金を減らすための手続きであり、借金がまるまるなくなるわけではありません。債務整理を行った後も、返済していく必要があるわけです。
一方、自己破産は借金を完全になくせる、つまりチャラにできる制度です。これが自己破産の最も大きなメリットです。借金がまるまるなくなるので、定期的な収入がない人でも手続きが可能です。
自己破産はデメリットも小さくない
このようにメリットも大きい自己破産ですが、一方でデメリットも少なからず存在しています。まず、自己破産をすると、原則として時価20万円以上の財産は没収されます。つまり、自宅や自家用車などは手放さなければならないわけです。それ以外にも高額な財産を持っていれば、やはり没収されてしまいます。没収された財産は市場でお金に変えられ、債権者に配当されます。
また、自己破産をすると官報という国が発行している機関誌に掲載されます。官報は一般的な書店では売られておらず、官報販売所という各都道府県に1~5件程度ある政府刊行物取扱店のみで販売されています。官報を日常的にチェックする人は極めて少ないですが、金融機関や法律事務所の関係者はチェックしている可能性があります。
それから、自己破産の手続き期間中は、弁護士や司法書士、警備員などの一定の仕事に就けなくなります。手続きが終わればまた就けるようになりますが、これらの仕事をしている場合は手続き期間中の仕事を予め確保しておく必要があります。
免責不許可事由と非免責債権
自己破産は誰が使っても必ず借金がまるまるチャラになる制度ではありません。まず、自己破産には免責不許可事由というものが設定されており、これに当てはまる場合は原則自己破産が認められません。主な免責不許可事由は以下のとおりです。
- 浪費や射幸行為(ギャンブルや投機)によって借金を増やしたり、財産を減らしたりした
- 債権者を害する目的で、処分される財産を隠匿したり、損壊したりした
- 破産手続きに必要な裁判所の調査に協力しなかったか、虚偽の説明をした
- 財産の状況に関する帳簿を隠匿したり、偽造したりした
- 特定の債権者を利する目的で、その債権者だけに返済を行った
ただし、実際には免責不許可事由に当てはまる行動を取っていたとしても、裁判所の裁量で免責が認められるケースが多いです。これを裁量免責と言います。ただし、そうは言っても免責不許可事由に当てはまる行動を取らないに越したことはありません。
一方、非免責債権とは、たとえ自己破産が認められてもチャラにならない債権のことです。自己破産は原則として借金をチャラにする制度ですが、いくつか例外もあるのです。代表的な非免責債権は以下のとおりです。
- 税金や社会保険料の請求権
- 破産者が悪意で加えて不法行為に基づく損害賠償請求権
- 罰金などの請求権
- 生活費、養育費などの請求権
これらの請求権は自己破産では消滅しないので注意しましょう。
マイホームを手放したくない場合は個人再生が有利
借金は返せないけれど、どうしてもマイホームだけは手放したくないという場合は、個人再生が便利です。個人再生は原則として借金を5分の1に圧縮した上で返済を進めていく制度で、住宅ローンを整理の対象外とすることが可能です。自己破産と違って免責不許可事由なども定められておらず、どんな理由で作った借金でも整理できます。
債務整理をするなら必ず弁護士に相談を
債務整理は1人で進めるのが非常に難しい手続きなので、できれば弁護士の力を借りて進めていきましょう。弁護士に依頼する費用を捻出するのも難しいという場合は、法テラスに相談してみて下さい。より安価に解決できる場合があります。
関連記事:
→海外投資/オフショアファンドの窓口【IFA無料紹介サービス】
→日本と世界の学資保険比較!元本保証140%の海外積立商品
→海外積立投資メイン3社の比較と評判
→ヘッジファンドは投資信託比較で手数料10倍!でもリターンは3倍!?