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銀行などの金融機関にお金を預けておくのは不安だからと、自宅に現金を保管する人がいます。このような保管方法は通称タンス預金といいます(タンス以外の場所に保管してもタンス預金です)。

タンス預金にはいくつかメリットも有るのですが、それ以上にデメリットのほうが多いので基本的には避けるべきです。

「銀行に預けても殆ど利息はつかない」というが……

「銀行に預けていてもどうせほとんど利息はつかない」という人がいます。確かにそれ自体は間違いではありません。銀行に100万円預けても、年につく利息など数十円~数百円程度です。

しかし、別にタンス預金をしたからと言ってそれより高い利息がつくわけでもありません、というか1円たりとも利息がつきません。数十円~数百円の利息がつく銀行預金と、1円も利息がつかないタンス預金ならば、当然前者のほうがマシです。

銀行が破綻しても1000万円までは保障される

「銀行が倒産するのが怖いから銀行預金はしない」という意見もあります。そもそも銀行が突然倒産する事自体ほぼないのですが、仮に倒産したとしてもわれわれがそこまで大きな影響を受けることはありません。現在はペイオフという制度で、銀行1行につき預金元本1000万円とその利息が保証されるからです。

つまり、預金が1000万円以下しかない人は全額保全されるわけです。もちろん倒産してから実際に預金が取り戻せるまでには時間がかかりますが、どうせ戻ってくるのですからタンス預金を保つ意味はありません。

タンス預金は預金封鎖の根本的解決手段にならない

何らかの事情で突然預金が封鎖されてしまった時にタンス預金があれば便利、と思われるかもしれませんが、この考え方も正しくありません。

預金封鎖は第二次世界大戦終戦直後の日本でも行われましたが、この際には預金封鎖とともに新円切替が行われ、銀行に預けられていた旧円は没収され、紙の旧円もすべて紙くずになってしまいました(硬貨は鋳造コストの関係から新しいものが発行されませんでした)。

つまり、タンスにお金を入れていようが、預金口座にお金を入れていようが、預金封鎖が起これば同じように無価値になってしまうのです。

日本の預金封鎖に備えるのならば海外の企業が経営する銀行にお金を預けるか、外貨や貴金属などを保有するかすべきです。

タンス預金はインフレに極めて弱い

インフレとは、物価や賃金が上昇し、お金の価値が下がる現象のことです。お金の価値が下がるということは、タンス預金の価値も下がるということです。

例えば、物価が5%上昇した場合、タンス預金の価値は約5%下がってしまいます。額面上の金額は同じでも、物価が上がったために実質的な購買力は下がってしまったのです。

物価が5%上がっても、利回りが5%の銀行預金を保有していれば、実質的な購買力は変わりません。もし利回りが10%の投資を行えば、実質的な購買力は約5%増えます。物価上昇時は投資も活発になるので、高い利回りを達成するのは難しくありません。

投資で物価上昇率以上に高い利回りを得られれば、実質的な購買力は増えることになります。物価上昇時にお金をタンスの中で眠らせておくというのは、資産を目減りさせてしまう行為なのです。

逆にデフレの場合は物価や賃金は下落し、お金の価値は上昇します。お金の価値が上がれば、タンス預金の価値も上がります。ずっとデフレが続くのならば、タンス預金の価値は上がり続けるということです。

しかし、通常、経済はインフレしていくものです。日本の長期デフレは例外的な現象であり、今後も同じ状態が続くとは考えないほうがいいでしょう。

タンス預金は災害や盗難の危険性がある

タンス預金でお金を保有していた場合、その管理に対する責任は自分で負うことになります。もし万が一盗難にあったり、あるいは災害で全部萌えてしまったりしても、誰も保証してくれません。

金庫を買えばそうしたリスクを大幅に減らすことができますが、銀行預金ならばもっと簡単にリスクを無くすことができます。所詮素人にすぎないわれわれ一般人よりも、銀行のほうがお金を守る能力は遥かに高いので、彼らに任せてしまったほうがずっと安心です。

タンス預金はついつい使ってしまう

手元にお金があると、つい使ってしまうのが人情というものです。出来心でお金を一度使ってしまうと罪悪感というものが薄れ、無駄遣いに歯止めがかからなくなってしまいます。銀行にお金を預けておけば、それを引き出すまでの間に冷静になるための時間がとれますので、無駄遣いのリスクを減らすことができます。

タンス預金をするくらいならば、銀行預金のほうがずっとマシ

タンス預金でお金を眠らせておくくらいならば、銀行預金をしたほうがずっとマシです。銀行は安全にお金を預かってくれますし、わずかながら利子も付きますし、1000万円までなら問題なく返ってきます。

リスクを取りたくないからタンス預金、と言うのは大きな間違いで、むしろタンス預金はリスクが高い割に何のリターンも得られません。今手元に眠らせているお金があるならば、すぐに銀行に預けに行きましょう。

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預金封鎖に備えたいならば金の保有が最もおすすめ

預金封鎖に備える方法は大きく2つ。外貨を持つか、貴金属を持つかです。このうちおすすめなのは貴金属、特に金です。

かつてはは多くの国が国が金や銀などとの交換を保証された「兌換紙幣」という紙幣を発行していました。中央銀行は発行した紙幣と同額の金や銀を保管していたのです。

現在は国がそれを保証しない不換紙幣が主流ですが、依然として各中央銀行は多量の金を保有していますし、市場でも非常に高い価格で取引されています。

金はどこの国でも効力を持つ通貨に準ずる存在といえます。金さえ持っておけば、将来万が一預金封鎖が起きたとしても、金を外貨と適切なレートで交換できる可能性が高いです。

金以外の貴金属には銀やプラチナが有りますが、銀は金と比べると売買にかかる手数料が割高で、また空気中の硫黄に反応して黒ずむため保管が難しい、市場が狭いので金と比べると価格の乱高下が起きやすいなど難点が多く、投資商品としてはやや扱いづらいです。

プラチナも高価な貴金属ではありますが、工業製品としての性格が強く、世界共通で扱える通貨に準ずる存在とはいえません。

ただし、金投資にもデメリットはあります。まず、金は預貯金や株式などと違って、利息や配当といったものは生まれません。

金投資は預金封鎖に備えるのには向いていますが、預金封鎖が起きない場合はむしろ利回りが低くなりやすいものです。

そういった意味では、金投資は万が一の事態に備えるのに向いている守りの資産であるといえます。積極的に資産を増やしたいのならば、株式投資や不動産投資のほうがずっとおすすめです。

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金は少額からでも買える

もう一つの金投資のデメリットは、とにかく高いことです。純金を市場を通じて買おうとすると、1gにつき4000円~5000円はかかります。

しかし、純金は積立で買うこともできます。このような買い方を純金積立と言います。毎月最小1000円ずつ積み立てて、そのお金で純金を少しずつ買い足していきます。積み立てた金は証券会社の持つ資産とは分けて管理されるため、万が一証券会社が倒産しても金は保全されます。毎月の積立額は少なくても、ある程度時間が経てば大きな量になります。預金封鎖に備えたいという人は、今のうちからコツコツ積み立てていくといいでしょう。

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金融・ 経済関連の記事をメインとしたフリーライターをしています。様々なジャンルの本を読み漁っていますので、 自分の記事が投資家の皆さんの利益となるように情報発信に努めていきます。