バフェットからの手紙 第4版 (amazon)

バフェット氏が株主宛てた助言が秀逸

1.投資家の目的は、企業が何をしているかが明確でわかりやすく5年先、10年先、20年先に優良な企業となることが予想できるところへ適切な価格で投資をすることである。個別株の投資にあたっては、銘柄の業績や財務状況、将来にわたる競争力で判断を行う。

2.素晴らしい会社に適切な価格で投資する方が、並みの会社を安く買うより賢い。
将来にわたって収益性が高い会社を見つけても高い価格では買わない。その会社がキャッシュで稼ぐ能力に着目して本来の事業価値を算出し、現在の価格が割安な場合に投資を行う。

3.我々の保有期間は永遠です。長期投資が大切
マーケットは様々なことで乱高下することがあります。目先にとらわれず長期にわたって収益を獲得するのです。

4.多くの投資家は、企業の将来にわたる収益性を分析しているわけではない。そういう投資家は将来にわたる企業の収益性が予想できない。

バフェットは米国株式市場を楽観している。これまでも今も逆張りするべきタイミングではない。と言っている。米国の現在年率GDPは2.0%で小さく見えるが、年率人口増加率を考慮してもの驚異的な伸び率になるとしている。一人当たりのGDP伸び率は1.2%であり、25年後には34,4%の驚異駅な数字になると言っている。
バフェットが率いる保険投資会社バークシャーハサウェイのポートフォリオ上位5社は以下のとおりである。

1位:ウェルズ・ファーゴ:19.8%
2位:クラフト・ハインツ:18.0%
3位:コカ・コーラ:13.0%
4位:IBM:8.5%
5位:アメリカン・エクスプレス :8.0% 

株主総会で「人生で大事なのは何か」という、議事とはおよそ関係のない質問を受けることがある。普通の企業の株主総会なら、無視されるか、かわされてしまうだろう。だがオマハの賢人(バフェット氏にニックネーム)は、気にかけることなく、丁寧に答える。「頭がよいということ以上に、信頼に値する人であることが、人生には大切だ。知能指数が高くても、バカげたことをする人たちにたくさん会ってきたからね」。また、株主への手紙で、こうも助言している。「私は多くの人が酒とレバレッジで失敗するのを見てきた。借金でてこ入れするレバレッジだ。そうまでする必要などどこにもない。賢明でありさえすれば、借金などせずに、大金を手にすることはできるはずだ」。
バフェット氏は株式市場で大金を獲得しているにもかかわらず、マネーゲームにおぼれていない点が特徴である。また愛国心を持った投資家であり投資先を米国に限定している。企業に対して攻撃的ではなく信頼関係を醸成して投資先が成長するよう働きかけている。バフェット氏は、バークシャー・ハザウェイの事業に対し、”Last year was a good one.”(昨年は良い年であった)と総括している。2015年、バークシャーの最も重要な発展は、金融関係ではなく、BNSF鉄道(※2009年11月、バークシャー・ハザウェイが約2.4兆円で買収したバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)であったとしている。競合の米国鉄道会社の総トン・マイル数は落ち込み、収益が減少した中で、BNSF鉄道は顧客サービスを劇的に改善し、総トン・マイル数を維持することができ、税引き前利益で68億ドル(2014年に対して606百万ドルの増益)という記録的な結果となった。
“America’s golden goose of commerce and innovation will continue to lay more and larger eggs.”(米国の商業とイノベーションの金のガチョウはこれからもたくさん、大きな卵を産み続ける。)と、バフェット氏は、米国の商業とイノベーションに楽観的である。
バフェット氏の考え方に同調するならば、米国人は米国内の企業に長期投資を行うべきである。バフェット氏がアメリカでベスト5に入る大富豪であるだけに言葉の重みが違うのである。最近の株主への書簡では、こう語っている。「零細企業の株を安値で買うことは短期投資としては魅力的かも知れないが、それを土台にして大きなビジネスをすることはできない。デート相手の条件と結婚相手の条件は違う。長期的に投資する先(つまり結婚相手)を見つけるためには、まともな企業を素晴らしい安値で買おうとするよりも、素晴らしい企業をまともな価格で買うほうがいい」。
これぞ「神対応」だ。企業の経済活動が一般人の生活と乖離してしまい、数字と効率性のみを追求する別世界の領域に深入りするなか、バフェット氏は株主の投資活動に社会的意味を与えるのである。それでいて、株主には極めて満足なリターンを与える。心の救いと、金銭的救いを両立させて与える、慈父のような「父なる神」なのだ。
彼は、株主への手紙で、こう説く。
「法外な価格で株式を発行し続ける企業は富を生み出さない。結局、魔法は解けて、すべてはシンデレラの馬車のようにカボチャとネズミに戻る。結末はいつも同じで、おカネが騙されやすい人から詐欺師へと移動するだけだ」。 

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