近年何かと話題になることが多いビットコイン。そのシステムのわかりにくさから「うさんくさい」「暴落するのではないか」という方も少なくありませんが、実際にはそれほど危険なものではありません。もちろんリスクはありますが、それは他の金融商品にも言えることです。
そして、ビットコインはむしろ現金よりも貴金属に近いものです。今回はビットコインと現金の相違点からその仕組みまで、まとめて紹介したいと思います。
ビットコインはオンライン上の仮想通貨
ビットコインとは簡単に言えば、オンライン上で取引ができる仮想的な通貨です。
紙幣や硬貨などの物理的な「お金」が存在しないという点では電子マネーと似ていますが、電子マネーとビットコインは本来全く別のものです。
電子マネーは基本的に事前に現金=日本円でチャージを行うと、その分だけ現金を取り出さずとも買い物ができるという仕組みです。形こそ変わっていますが、電子マネーはあくまでも日本円の枠組みの中に存在するものです。
それに対してビットコインには円ともドルともユーロとも違う、「BTC」という単位があります。そのため、現状ではビットコインをいくら持っていても円しか受け付けていない店では買い物はできません。
そして、BTCの価値は毎日変動します。円とドルの交換レートが毎日変化するように、円とBTC,あるいはドルとBTCの交換レートも毎日変動するのです。
ビットコインは発行責任者がいない
ビットコインの大きな特徴として、発行者がいないことがあげられます。円やドル、ユーロと言った現金はそれぞれの国の中央銀行が主体となって発行・管理しています。彼らが価値を保証しているからこそ、我々は1万円札には1万円分の価値があると信じて取引ができるわけです。彼らの保証がなければ、1万円札などただの紙切れです。
それに対して、ビットコインには発行・管理主体が存在しません。かわりに複数の技術を持ったプログラマーが相互に管理しており、価値が保たれています。
20世紀を代表する経済学者のハイエクは、中央銀行が存在しない、国が管理しない通貨こそが経済を安定させると説いていましたが、ビットコインはそんな彼の理想に合ったものであるといえます。
ビットコインの発行数には上限がある
ビットコインのもう一つの特徴は、発行数の上限が定められていることです。ビットコインの総量は2100万BTCと予め決められており、これ以上増えることはありません。
それに対して、現金は中央銀行の裁量で発行量が決められ、上限は定められていません。もちろん急激に発行量を増やしたり減らしたりすれば急激なインフレやデフレが発生するため、急に発行量が大きく変わることはありませんが、事実上は無制限に発行ができることになっています。
ビットコインの仕組みは貴金属に似ている
このようなビットコインの仕組みは、現金よりもむしろ金などの貴金属に似ています。貴金属もビットコインと同様に発行責任者がいませんし、発行数(埋蔵量)にも上限があります。貴金属が高値で取引されているのは、貴金属が地球上に少量しか存在しておらず、にも関わらず多くの人が欲しがる性質のものであるためです。
もし人々の心が急に貴金属から離れたり、あるいは大量に発掘されたりしたら、その価値は暴落するでしょう。ビットコインも同様に、信用が崩れてしまうと価値が急落してしまう可能性もあります。逆に欲しがる人が多ければ、価値は向上するはずです。
ビットコインを手に入れる「採掘」のやり方
ビットコインの上限量は2100万BTCであることは先ほどお話しましたが、現時点で市場に流通しているビットコインは大体1620万BTCぐらいです。まだ掘り起こされておらず、史上にも流通していない貴金属があるのと同様に、まだ掘り起こされていないビットコインも存在するのです。それを掘り起こす作業が「採掘」です。
採掘と言っても当然、地面に穴をほってビットコインを探すわけではありません。ビットコインは仮想的な存在なので、地球の裏側まで穴を掘っても出てくることはありません。採掘とはビットコインの入手を比喩的に示した言葉で、他者のビットコインを用いた取引の承認作業を行う手続きのことです。
例えば、AさんがBさんに100BTCを支払う取引をするとします。このような取引は一定期間ごとに、ネットワーク上に存在する取引台帳に記録されます。この取引台帳の記録と、実際に行われた取引のデータの整合性をチェックする作業を採掘と言います。この作業は早い者勝ちなので、高性能なコンピュータほど採掘ができる可能性が高まります。
取引台帳の記録と、取引データの整合性をチェックするということは、ビットコインの健全な運用に寄与する行為です。その報酬として、ビットコインが支払われるわけです。ビットコインの新規発行は採掘という手段によってしか行われません。
現在の試算によれば、ビットコインの採掘は2141年頃に終わる見通しになっています。なんだかずいぶん時間がかかるようにも思えますが、貴金属の埋蔵量が少なくなれば採掘が難しくなるのと同様に、ビットコインも埋蔵量が少なくなれば採掘は難しくなるのです。
ビットコインは取引所でも入手できる
採掘なんて面倒くさい作業をするのはゴメンだ、という場合は、取引所を通じて発行済のビットコインを入手することも可能です。ビットコインを取引するための場所をビットコイン取引所といいます。
ビットコイン取引所にはビットコインを売りたい人と買いたい人が集まり、そこで両者は現金とビットコインを交換します。ビットコインの需要が高まっていれば1BTCを購入するのに必要な現金は多くなりますし、需要が低くなれば少なくなります。現在の1BTCあたりの交換レートは約12万円です。
仮にすべてのビットコインが日本のビットコイン取引所で交換されると仮定した場合、ビットコインの時価総額は12万円×1600万枚=1.92兆円となります。これがビットコインの市場規模ということになります。
ビットコインを管理する方法
ビットコインを取引するにあたっては、それを安全に管理できる財布(ウォレット)が必要になります。ウォレットにはスクトップウォレット(PC上の財布)、ウェブウォレット(Web上の財布)、モバイルウォレット(スマートフォン上の財布)、ペーパーウォレット(紙に印刷された財布)、ハードウェアウォレット(専用財布端末)などがあります。
PC上にウォレットを作れば手元にデータが残るので安心ですが、PCが壊れてしまうとデータが取り出せなくなってしまう危険性もあります。Web上にデータを残しておけば、こちらのPCが壊れてもデータは残るので安心です。反面、サイトがハッキングにあうとビットコインが失われてしまうかもしれません。
ビットコインで儲ける方法は?
ビットコインで儲ける方法は基本的には株式取引や為替取引と余り変わりありません。投資の対象であるビットコインを安く手に入れて、それをより高値で手放せばいいのです。
ビットコインを最も安く手に入れる方法は採掘です。しかし、現在はビットコイン採掘専用の数百万円のコンピュータが何台も採掘に参加しているため、われわれが個人で持っているようなパソコンでは太刀打ちできません。
採掘は高機能なコンピュータに任せて、レートを注視した方がいいでしょう。ビットコインに投資をするのは基本的には貴金属に投資するのと同じようなものですが、市場自体が小さいぶん交換レートの変動は激しいです。余り多くのお金を投下するのは、まだやめておいたほうがいいでしょう。
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