マイナンバー導入で副業が会社にバレる?

少し前に某ビジネス雑誌系のサイトで、「マイナンバーが導入されるとサラリーマンの副業が会社にバレるようになる。夜に副業でキャバクラなどで水商売しているOLが副業をやめ、キャバ嬢が激減することで繁華街がゴーストタウン化するかもしれない」などという記事が掲載され、話題になりました。

この話に関心がある人は本当に多いようで、現在もインターネットのQ&Aサイトやアフィリサイトのようなページで、マイナンバーと副業の会社バレの関係が数多く語られています。

国が収集した個人情報を民間企業に教えるようなことが本当にあるのか? そうだとすると、とんでもないことなので、そういう視点でマイナンバー制度について調べてみました。(うちの編集長も別の視点で気になっているはず)

まずは、記事の主張ですが

マイナンバーが導入されると
1)勤務先(副業含め)にマイナンバーを提出しなければならない
2)副業でアルバイトをしていると確定申告が必要
3)確定申告をすると、副収入分を含めた住民税額が会社に通知されるのでバレる

というものでした。

このことについて話す前に、まずはマイナンバー制度について、ここで簡単に説明しておきます。

マイナンバー制度の概要

マイナンバーとは、社会保障・税番号制度のことです。国民一人一人に12桁の固有の番号が割り当てられます。この番号を元に国民全員の収入を正しく把握して公平に税金を徴収したり、社会保険の加入手続きや保険料の徴収、給付手続きなどを行ったりします。また行政手続きの効率化を図ったり、福祉分野の給付を正しく行う(例えば生活保護の不正受給などを防止する)ためにも利用されるようです。

上記のことを実現するために、全国民の収入や社会保険の加入情報等を行政が把握する必要があるので、サラリーマンであれば会社に自分のマイナンバーを提出し、会社は源泉徴収や社会保険の手続きにおいて各社員のマインナンバーと会社に割り当てられた法人のマインナンバーを記載することになります。扶養家族がいる場合は、家族のマイナンバーも会社に提出します。

さらに、もし副業などをしている場合はバイト先の会社にもマイナンバーを知らせなければなりません。

つまり、誰がどこからどれだけ収入を得たかということを国が把握することができる制度です。

すべてが監視されているみたいで、やましいことがなくても気持ち的にはちょっと嫌な感じがしますよね。さらに今年あった年金情報の流出みたいに、マイナンバーやそれにひもづけられた情報がもし流出してしまったとしたら、重大な問題となります。各省庁や自治体、年金機構等の行政関連機関もそうですが社員のマイナンバーを保持する民間企業においても情報のセキュリティはやりすぎなくらいに強化してもらいたいところです。

マイナンバーは会社に副業を知らせる制度なのか?

それでは、マイナンバー制度により副業が会社にバレるということに関して考えてみましょう。

まず、政府広報サイトによると「マイナンバーは社会保障・税・災害対策分野の中でも、法律や地方公共団体の条例で定められた行政手続きにしか使えません」とあります。

将来は、銀行や証券、病院や処方箋などの医療分野、公共料金の支払等マイナンバーの民間への利用拡大も視野に入っているようですが、その場合でも当然、利用制限などはされるでしょう。

ということで、マイナンバーは、当初は行政手続きにしか使う予定はありません。マイナンバー制度により、行政機関等が個人の副業情報などを働いている会社に伝えるということは基本的にはないでしょう。

ただし、マイナンバー制度自体によって副業がバレることがなかったとしても、マイナンバーが導入されたことがきっかけで、結果的にバレてしまうというケースはあるでしょう。冒頭のビジネス雑誌系サイトの記事もそのことについて触れていると思われます。

マイナンバーで副業がバレるという記事についての考察

1)勤務先(副業含め)にマイナンバーを提出しなければならない

マイナンバーが導入されると、社員は勤務先等にマイナンバーを提出することになります。また法人も法人用のマイナンバーが割り振られます。したがって、誰がどこからいくらの収入を得たかがすべて税務署に把握されることになりそうです。

2)副業でアルバイトをしていると確定申告が必要

副業等の収入が20万円を超えると、会社員でも確定申告が必要です。これはマイナンバーの導入とは関係なく、今でもそうです。さらにいうと収入が20万以下の場合、税務署への確定申告は不要でも住民税の申告は必要な場合があります。

3)確定申告をすると、副収入分を含めた住民税額が会社に通知されのでバレる

例えば、副業をしている会社員が確定申告をしたとします。その場合、副業収入を含めた住民税が会社に通知されるかどうかについては、副業収入の種類や申告の仕方によります。

住民税には普通徴収(自分で納める)と特別徴収(会社員等で給料から天引きになる)の2種類の納め方があります。そして確定申告では、給与所得以外の収入はどちらの納め方にするか自分で選択できるようになっています。参考:国税庁サイト
したがって、副業収入が給与所得でない場合は、その分を普通徴収にすれば副業分の住民税は会社には通知されません。ただし、副業がアルバイトなどで給与所得になる場合は、原則、本業の住民税とあわせて特別徴収となりますので、会社に副業分も含めた住民税の額が報告されます。つまり、それをきっかけに副業がバレる可能性があります。

ということで、長々と説明してきましたが、マイナンバー導入がきっかけで副業がバレることもあれば、バレないこともあるというのが実情です。

マイナンバー自体は直接的に副業をばらすような制度ではないですが、これまで確定申告しなければいけないのにしていなかった人が確定申告せざるをえないようになり、副業分の住民税の徴収方法がどうなるかによってはバレるケースがあるということです。

ちなみに、いま副業をしていて確定申告が必要なのにしていない人がいるとします。その人たちは副業がバレないのかといえば、そうでもありません。副業している会社がその人への報酬についての支払調書をその人が住んでいる自治体に提出していれば、確定申告をしていなくても副業分の住民税が加算されて会社に報告されることになるからです。

rounge3また、くだんの記事にある「副業で夜にキャバクラなどで水商売しているOLが確定申告をすると会社にバレる」とありますが、キャバクラ収入が給与所得にあたる場合はその可能性は高そうですが、それ以外の所得にあたる場合は、確定申告で普通徴収にすれば会社バレの可能性は少ないと思われます。
つまり勤務先のキャバクラがどのような形式で報酬を支払っているかによってきます。

私はキャバクラで働いたことがないのでわかりませんが、ちまたの噂では後者の方が多そうな感じです。だとすると、そのようなOLキャバクラ嬢の皆さんが面倒がらずに確定申告してくれれば、同記事にあるように繁華街がゴーストタウンになるほどキャバクラ嬢が激減するということはないような気がします。(→ 編集長)

※住民税の徴収については各地方自治体により取り扱いが違う場合もあるようです。上記説明はあくまでも原則の話となります。

最後に・・・

就業規則で禁止されている副業をしているという方は、マイナンバーが導入されるかされないかとは関係なくバレるときはバレます。また、もし確定申告が必要なのにしていないのであればきちんとするべきです。その結果、バレるかどうかについては、税理士や役所に確認することをおすすめします。そして、副業を続けるかどうかはご自身でよく考えてご判断ください。

今回いろいろ調べましたが、マイナンバーが具体的にどうなるかという情報は圧倒的に少なく、正直どうなるのか詳細はまだ不明な部分が多いです。また税金に関することは非常にしくみが複雑ですので、はっきりしたことはわからないというのが実情です。

ネットで検索してみても、素人が聞きかじりの知識でアレコレいっているサイト多かったです。マイナンバーや税金については、実務に詳しい税理士や会計士の意見を聞くべきで、それ以外の人が言っているあやふやな情報を信じると失敗してしまうかもしれません。

そういう意味では、私もただのファイナンシャルプランナーであり税金の専門家ではありません。今回の記事も行政機関の発表内容や税理士の方の解説を参考にして、そこでわかったことについて書いてはいますが、それでも誤解や間違いがあるかもしれません。また、今後細かい制度変更などもあるかもしれません。十分にご注意ください。

繰り返しになりますが、税金について何かあれば、必ず税理士や税務署、住民税であればお住まいのエリアの役所に相談してくださいね。

おまけ

今回は、住民税の面から副業バレについてスポットを当てていますが、副業で2か所から給与をもらっている場合は、就業形態によっては、もしかしたらマイナンバー導入により、健康保険や年金などの社会保険の部分からバレる可能性もあるのでは?と思いました。これについては、調べてないのでよくわかりませんが、何かわかれば追加レポートをするかもしれません。

また、副業バレではありませんが、年末調整で本当は奥さんに収入があるのに、ないことにして配偶者控除の申請をするなどの不正をした場合、マイナンバーの導入で簡単にバレることになりそうです。そもそもそんな不正をしてはいけませんし、マイナンバーでなくてもバレる可能性はあります。十分気をつけなければなりません。いや、気をつけるというか、そんな虚偽申請はやめてくださいね。

※本記事は、就業規則で禁止された副業を推奨したり、会社にバレない方法を指南するものではありません。

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