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一口に債券といっても、その種類は様々です。総じて株式と比べるとローリスクローリターンな債券ですが、それでも「債券の中でもかなりローリスクローリターンなもの」もあれば、「債券の中では比較的ハイリスクハイリターンなもの」もあります。今回は、証券会社を通じて買える債券をまとめて紹介したいと思います。

債券は利回りが決められている有価証券

債券は、国、地方自治体、企業などにお金を貸し出した際に発行される有価証券です。これらの組織は運営資金を集めるために債券を発行します。そうして集めた資金を元に事業を行い、一定の期間毎に(通常は半年に1回)予め決められた利息を支払い、最後に元本を返済します。株式と違い、発行元は将来投資家に対して借りたお金を返却しなければなりません。

債券に記載されている金額を額面金額といい、利息や元本の計算はこの金額で行われますが、必ずしも額面金額と発行価格(購入価格)が一致するとは限りません。例えば、額面金額100円の国債が発行価格99.95円で発行されることもあれば、100.02円で発行されることもあります。当然、発行価格が安い時に買ったほうが有利です。

債券は満期日まで待てば必ず元本が取り戻せる

債券のいいところは、予め利回りが決められているところです。例えば、利回り2%、満期日5年、額面金額100万円の債券を購入した場合、毎年100万円×2%=2万円の利息を受け取ることができ、満期日の5年後には元本を受け取れます。満期日を無事に迎えることができれば、額面金額が返ってくるので元本割れすることはありません。

一方、償還期間まで待ちたくないという場合は、債券市場で他の投資家に債券を売却することも可能です。この場合、額面金額が100万円の債券を必ず100万円で売る必要はありません。債券の需要が高まっていれば102万円で売れるかもしれませんし、低まっていれば99万円で売れるかもしれません。途中で手放したほうが満期日を待つよりも高い利回りを得られる可能性がある反面、市場での売却は元本割れを起こす可能性もあるので注意が必要です。

なお、債券価格と利回りは原則として反比例します。利回りが低下すると新たな債券の金利も下がるので、相対的に既存発行分の価値が上がるからです。

最もローリスクな債券は国債

数ある債券の中で、最もローリスクといえるのが国債です。国債はその名の通り、国が発行した債券です。国が事業を行うための財源は税金ですが、大抵の場合税金ではまかないきれないため国債を発行します。

国債を発行しているのは日本だけでなく、米国も、英国も、韓国も、中国も、世界中の国が発行しています。発行した国債は、翌年以降の税収や新たな国際で償還します。

国債は国が発行しているため最も信頼性が高く、なおかつ大量に流通しているため流動性(換金性)も高いという特長があります。その為、初心者でも比較的安心して投資することができます。

国債は大きく利付国債と割引国債に分類できます(それ以外の債券も利付債と割引債に分けられます)。利付国債は一般的に額面金額と発行金額が(ほぼ)同じになり、毎年利息が受け取れる、と言うものです。

例えば、額面金額100万円、発行金額100万円、利回り1%、償還期間(満期日までの期間)5年の場合、毎年1万円ずつ利息が受けとれ(半年に1回受け取る場合は5000円ずつ2回に分けて受け取ります)、最後に100万円を受け取ります。100万円で買って105万円手に入れたので、利益は5万円です。

一方、割引国債は額面金額よりも発行金額が安く、代わりに利息の支払いがない国債です。例えば、額面金額105万円、発行金額100万円、償還期間5年の場合、満期日を迎えれば105万円が受け取れます。100万円で買ったものが105万円になったので、利益はやはり5万円です。運用期間中に利息の運用を考えなくていいのが、割引国債のメリットです。

償還期間が長いほど利回りは高い

国債の償還期間は大きく以下の通りに分類することができます。

超長期国債:15年、20年、30年、40年
長期国債:10年
中期国債:2年、3年、4年、5年、6年
短期国債:3ヶ月、6ヶ月、1年

これらの国債は原則として、償還期間が長いほど利回りが高くなっています。償還期間が長い国債ほど、償還されない可能性が高いからです。例えば、今後3ヶ月、6ヶ月、1年以内に日本が財政破綻を起こす可能性は限りなく0に近いですが、30年、40年後は必ずしもそうとはいえません。

利回りがマイナスになることもある?

短期や中期、場合によっては長期の国債は、利回りがマイナスになることがあります。2016年には日本の歴史上初めて10年国債の利回りがマイナスになりました。利回りがマイナスになるということは、その国債を持っても損をするというわけです。利回りがマイナスの国債は割引国債形式で発行されているので、例えば発行金額が101万円、額面金額が100万円、と言った感じになります。

そんな意味のない国債を誰が買うんだ、と思われるかもしれません。たしかに個人投資家がこのような状況で国債を買う意味はほぼ全くありませんが、銀行などの場合は話が違います。

銀行などの金融機関は、多額のお金を安全に保管する必要があります。そのためには破られない倉庫、信頼できる社員などが必要になります。それらを確保する費用よりもマイナス金利で支払う金額のほうが少なければ、国債を購入したほうがまだマシ、ということになります。

そうでなくても銀行は信頼性の高い債券を、融資時の担保として一定額保管する事が多いです。われわれにはあまり関係のない話ですが、マイナス金利だから全く売れないというわけではない、ということは覚えておきましょう。

個人向け国債は通常の国債とどう違う?

個人向け国債という国債の存在を聞いたことが在る方は少なくないかと思います。個人向け国債と通常の国債にはいくつかの違いがあります。まず、個人向け国債で買えるのは原則10年変動債、5年固定債、3年固定債の3つです。変動債とは変動金利、固定債とは固定金利のことと思ってくれれば間違いありません。これ以外の期間の個人向け国債はありません。

また、個人向け国債は購入単位が1万円です。それに対して通常の国債は5万円なので、個人向け国債のほうが少額からでも始められるといえます。

さらに、個人向け国債は国が元本保証(額面金額での買取)を保証してくれています。通常の債券は償還前に市場で売却をした場合、元本割れを起こす可能性がありますが、個人向け国債では償還までに買い取ってもらえば元本は補償されます。

ただし、購入後しばらくは買い取ってもらえず、過去数回分の利息は返さなければならないというデメリットもあります。

加えて、個人向け国債は個人でも書いやすい(というよりは、通常の国債を個人が買うのは難しい)というメリットもあります。

反面、個人向け国債は通常の国債と比べるとかなり利回りが低めに設定されています。ただでさえ低金利のこの時代にそれはかなり痛いです。

なぜ日本国債の利回りはこんなに低いの?

国債に限った話ではありませんが、利回りはその債券の需要と供給によって決まります。もし債券を欲しがる人が増えれば、債券を売る側(国債の場合は政府)にとって有利な条件、つまり低い利回りでも売れるようになります。逆に、債券を欲しがる人が少なければ、債券を買う側(投資家など)にとって有利な条件、つまり高い利回りでないと売れなくなります。

つまり、債券の需要が高いと利回りが低くなり、債券の需要が低いと利回りが高くなるのです。日本国債の利回りが低いのは、日本政府が信頼されているから……というのならばめでたいのですが、日本国債の利回りが低い原因はこれだけではありません。

日銀は金融緩和(市場にお金を増やす政策)のために銀行などから国債を吸い上げています。日銀が銀行などから国債を買えば、その代金が銀行に払われるので市中のお金が増える、というわけです。

一方、日銀が国債を吸い上げると、市場に流通する国債が少なくなります。少ないものは価格が上がるので国債価格は上がり、国債価格と利回りは反比例するので金利が下がる、というわけです。

利回りが高い国債にはそれなりにリスクも

とはいえ、利回りが低い日本国債は全体的にはそれなりに信頼できる国債であることには代わりありません。逆に言えば、利回りが高い国際は信頼できない、償還がキチンと行われない可能性があるということでもあります。もし利回りが高いにも関わらず、リスクが低く信頼できる国債があれば基本的には「買い」です。

国債の格付けはムーディーズやフィッチなどが発表していますので、購入の際に参考にしてみて下さい。ただし、外国の国債は為替変動の影響を受ける(円高になると利益が減ったり損失が増えたりする)ので注意が必要です。

地方債は原則、国債についでローリスク

地方債は都道府県、市区町村などが発行している債券です。国債や地方債のような公的機関が発行している債券をまとめて公債と言います。地方自治体の財源は税金、および国から交付される地方交付税や国庫負担金ですが、それで賄えない場合は地方債を発行して財源を確保します。

地方債は新たに発行される地方債、及びすでに発行済の地方債があります。新たに発行される地方債を市場公募地方債といい、市場公募地方債の引受機関である金融機関を通じて購入が可能です。

地方債協会ではときどき市場公募地方債の発行に関する情報提供を行っているので、気になる方は時々チェックしましょう。

一方、すでに発行済の地方債は、証券発行によるものと証書借り入れによるものがあり、前者は金融機関を通じて購入することが可能です。

さて、地方債にも国債と同様のリスクがあります。地方債は財政赤字の場合は発行が制限され、国から交付される地方交付税を返済に当てることも認められているので、安全度はやはり高いです。

しかし、地方自治体と一口に言っても色々あるため、一概にローリスクであるともいえません。財政状況が安定しているところとそうでないところではリスクもリターンも変わってきます、原則として、財政状況が安定している自治体ほど利回りは低くなります。

社債はハイリスクだが、利回りが魅力

社債は民間企業が発行する債券です。国債や地方債と違って、公的機関が発行するものではないためこれらと比べると若干ハイリスクですが、その分リターンも高めに設定されています。

民間企業は地方自治体よりもさらに数が多く、各企業によってリスクやリターンが異なるのも大きなポイントです。経営が安定している大企業の社債ならば地方債以上の安心感があります。

転換社債は株式に買えられる

社債の中でも、後に株式に転換できるタイプの社債を転換社債と言います。基本的な仕組みは通常の社債(普通社債)と同じですが、将来株式を1株●●円で購入(転換)できる権利がついてきます。

この権利を行使すれば、行使時点での株価にかかわらず、●●円で株式が購入できます。そのため、株式価格が上昇した場合は株式に転換したほうがお得です。逆に株価が下がった場合は、社債としてそのまま持ち続ければいいのです。

このように株式と債券のいいとこ取りをしているようにも見える転換社債ですが、その分債券としての利回りは普通社債よりも低めに設定されています。多くの場合転換社債の利回りは0%です。つまり、元本が補償されるだけで、利息はもらえないのです。

優先債と劣後債は利回りとリスクが異なる

社債の中でも債務の弁済順位が高く(倒産した時に弁済される可能性が高く)、その代わりに利回りが低めに設定されているものを優先債と言います。

一方、弁済順位が低い代わりに、利回りが高めに設定されているものは劣後債と言います。両者の中間にあるものはメザニン債と呼ばれています。

劣後債は利回りが高いのが魅力ですが、注意点もあります。劣後債には、早期買取条項という条項が付与されていることがあります。これは債券の発行元がすでに発行されている債券を満額前に償還できるという条項です。

例えば、償還日が5年後、利回りが5%、額面価格が100円の債券を満期日まで持ち続ければ25円の利息と100円の元本が受け取れますが、条件を満たした場合、1年目で償還されてしまうこともあるのです。その場合、得られるのは5円の利息と100円の元本だけです。

発行元の会社から直接社債を買った場合はそれでも余り問題にはなりませんが、債券市場で額面金額より高い価格で買った場合は損失が出ることもありますので気をつけましょう。

金融機関が発行する金融債には預金保険制度が付く

金融機関の一部は、資金調達のために金融債という債券を発行することができます。金融機関と言え民間企業であることには変わりないため、原則として社債と代わりはないのですが、「預金保険制度」の適用が受けられるメリットがあります。

これは金融機関が破綻した際でも、1000万円まで保護される制度です。つまり、倒産しても元本が補償されるのです。

電力債は電力会社が発行した低リスクな社債

金融機関が発行する債券が金融債であるのに対して、電力会社が発行する債券は電力債とよびます。現在、日本には北海道、東京、関西、沖縄など9つの電力会社が存在します。仮に電力会社が電力の供給をやめれば、社会全体がストップすることは想像に固くありません。そのため、電力会社は電力祭を使って多額の資金を集めるわけです。

通常の社債と電力債の違いは、電力会社が保有する資産全体が対象となる一般担保がついているところです。これは簡単に言えば、電力会社倒産時には他の債権者よりも優先的に債権を回収する担保のことです。

一般企業の社債は、倒産した場合には元本を回収するのはほぼ不可能ですが、電力祭はこの制度により優先的に債権を回収できます。

このような保証がある代償として、利回りは低めに設定されています。電力債の利回りは国債や定期預金の金利などと大差ないため、安全ではあるものの大きな利息を得るのには不適切と言えるでしょう。

外債は為替リスクが上乗せされた債券

外国の政府、自治体、企業などが発行している債券をまとめて外債といいます。外債も基本的には普通の債券ですが、為替リスクが上乗せされるという大きな違いがあります。為替リスクとは、為替(通貨どうしの交換レート)が変動することによって、利益が出たり、損失が出たりする可能性のことです。

例えば、アメリカの企業が発行した社債(100ドル、償還日1年、利回り5%)を買うとします。現時点での為替レートは1ドル=100円とします。この場合、100ドルの社債を買うには1万円が必要になります。そして、償還日の5年後まで毎年3%ずつ利息が発生するので、5年で得られる利息は100ドル×5%×1年=5ドルです。最後に元本の100ドルが返ってくるので、合計105ドルを得ることになります。

しかし、1年後の為替レートも1ドル=100円であるとは限りません。仮に1年後に1ドル=90円になっていたとしたら、手持ちの105ドルを円に戻しても9450円にしかならず、差し引き550円の損失であり、利回りは-5.5%となってしまいます。

逆に1ドル=110円になっていれば、105ドルを円に戻すと1万1550円になり、差し引き1550円の利益であり、利回りは15.5%となります。

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円建て外債ならば為替リスクはなし

このような外債のリスクをなくしたのが円建て外債です。円建て外債はサムライ債とも呼ばれる外債です。外国の政府や企業が発行するという点では通常の外債と代わりありませんが、こちらは日本円のままで購入できます。そのため、通常の外債と違って円高・円安の影響を直接受ける可能性はありません。

一方、デメリットとしては通常の外債と比べて利回りが低いこと、為替リスクによる利益を得られる可能性も亡くなることが挙げられます。円安で大きな利益が上がっていたはずなのに、円建て外債を選んだばかりにその利益を得られなかった、ということも十分ありえるのです。

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債券だけでポートフォリオを固めるのは危険

債券は全体として株式と比べて低リスクな商品ですが、だからといってポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)を債券で固めてしまうのはおすすめしません。債券はどれも同じような値動きをすることが多いからです。債券と逆方向の値動きをすることが多い株式と組み合わせて保有することによって、リスクを軽減することができます。

投資で大切なことは、大きく稼ぐことではなく、市場から退場しなければならないような大きな損失を被らないことです。様々な金融商品に分散して投資することによって、リスクを軽減することができます。

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