ここ数年、新たな投資商品として仮想通貨が注目されてきています。仮想通貨とは、インターネット上で取引きが行われる電子通貨であり、通常のお金のようにコインや紙幣などは存在しません。

一般的には、「仮想通貨」もしくは「デジタル通貨」と呼ばれています。

インターネット上では、仮想通貨を取り扱う取引所が国内外にあり、仮想通貨から円やドルなどの法定通貨へ取引することができます。

仮想通貨は、投資商品として仮想通貨に関する詳細な法整備などがまだ充分に整備されていないものの、平成29年4月1日には、資金決済法の改正によって、仮想通貨に関する法律が施工し始められました。

法定通貨ではない仮想通貨、売買や取引で課税の対象に

現在は、仮想通貨の購入や売買するに当たり詐欺や犯罪に使われるなど、仮想通貨利用者が大きい損失を被らないようにするための法律にとどまっているのが現状です。

仮想通貨などは商品売買など決済に利用でき、購入や売買もできる投資資産です。

税務上は、通貨として認められているものの国が発行し、保証する法定通貨とは異なりますが税金は発生します。

仮想通貨の購入や売買により、購入した時点より価値が上昇した時に売却すれば、その差額が利益となり税金(所得税)の対象となります。

また、法人事業などで仮想通貨で売上を計上した場合、事業所得、税金の課税対象となります。

仮想通貨にかかる税金:消費税

仮想通貨にかかる消費税は、平成29年3月31日に消費税法が改正。仮想通貨の譲渡に関わる消費税は、非課税とすることが盛り込まれました。

法案の改正により、平成29年7月1日から仮想通貨の購入や売却による消費税は、非課税となり税金がかからなくなりました。

対象は個人や事業者(法人)で、課税の売上割合の算出には、仮想通貨の非課税売上分は含まないこととしました。

これは、仮想通貨の代表格であるビットコインの場合、購入時と支払い時に消費税がかかり、「同じ商品の取引で二度税金がかかるのは問題」と考えられ、このことが仮想通貨の消費税撤廃の議論の始まりになりました。

この改正は、消費税を対象としたものであり、他の税金(個人所得税や事業所得税)は、今のところ、非課税、減税措置などはりません。

財務省では、「平成29年度税制改正大綱」にて仮想通貨に関わる消費税の見直しを行い、資金決済の際の仮想通貨の譲渡には消費税を非課税と決定しました。

仮想通貨などに関する税金撤廃は、NHKのウェブサイトでも特集が組まれ、注目度が高い報道となりました。

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仮想通貨にかかる税金:所得税

仮想通貨に課税される税金・所得税は、1月1日〜12月31日の1年間、仮想通貨の購入や売買、取引などによって得られた利益に対して税金が発生します。

所得税額は、利益額により異なっており7段階に分割され、さらに控除額も設けられ負担を軽減しています。

所得税は、仮想通貨での購入や売買の利益、195万円未満の場合、所得税率は5%で控除額はありません。

同様に、利益195万円を超え330万円以下の場合は、所得税10%で控除額は97,500円。

利益330万円を超え695万円以下の場合は、所得税20%で控除額は427,500円。

利益695万円を超え900万円以下の場合は、所得税23%で控除額は636,000円。

利益900万円を超え1,800万円以下の場合は、所得税33%で控除額は1,536,000円。

利益1,800万円を超え4,000万円以下の場合は、所得税40%で控除額は2,796,000円。

利益4,000万円を超えた場合は、所得税45%、控除額は4,796,000円となります。

仮に、仮想通貨の利益合計が1年間に300万円とすると、所得税10%、30万円の税金に控除額が97,500円あるので、30万円から9万7,500円を差し引いた20万2,500円が所得税となり、税金を納付する義務が生じることにになります。

仮想通貨にかかる税金:住民税

1月1日〜12月31日の1年間、仮想通貨の購入や売買で得た利益に対し住民税は、所得税(累進課税)とは異なり、一律で1年間の利益の10%が住民税として納める必要があり、同じ税金でも所得税とは計算が異なっています。

仮想通貨で1年間、利益が出ても現金を取引後、現実に受け取ると、税金が意外にも高いことが理解できます。

例えば、年間4,000万円以上の利益を出した場合、控除はありますが所得税45%と住民税10%、合わせて55%の税金を納める必要があります。

日本は、利益が得られたものについては税金がかかる仕組みとなっているのです。

仮想通貨に関する確定申告をした内容、明細は、国税局から各々の地域の自治体に知らされ、住民税通知が毎春、自治体から郵送されてきます。

住民税の納税は、一括払いか、もしくは分割で納付も可能ですが税金額は変わりません。

仮想通貨に税金がかかるケース

含み益は保有してるだけなら非課税

仮想通貨は、法改正によって支払い・決済手段の一つとして扱われるようになったものの、法定通貨ではないため金(ゴールド)などと同様に投資資産として考えられています。

仮想通貨の取引などにより得られた利益である含み益(購入の際の価格から上昇した価格の差額分)は、売却しなければ税金は発生しませんが、売却する場合には課税の対象となり、税金が発生します。

また、仮想通貨の代表格であるビットコインやアルトコインなど、ほかの仮想通貨との取引によってビットコインを多くした場合。その利益分も同様に、譲渡所得または雑所得として税金が生じます。

仮想通貨での含み益は、譲渡税か雑所得かは、国税局によると所轄の税務署に問い合わせくださいとの回答でした。ちなみに、金(ゴールド)は、譲渡所得として扱われ、5年間、円やドルなどに取引しない場合は、税金が約2分の1になるという特典があります。

ただ、譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える土地や建物を売却した時の場合のみだけ適用されます。

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マイニングでの報酬、売却しなければ非課税

ビットコインなどの仮想通貨は、取引した際の履歴を持つブロックチェーン機能を持ち合わせており、国を越えて送金が行える通貨機能などを持と合わせています。

ブロックチェーンは、仮想通貨のネットワークに繋がるコンピューターに分散して保存され、取引の記録をブロックにまとめ、データの変更や改ざんを防いでいます。

これらの処理には莫大な計算量が必要となっています。

よって、この取引記録を一つにまとめてブロックを作成した利用者には、見返りとして仮想通貨が与えられ、このことをビットコインマイニング(採掘)と呼ばれています。

マイニング報酬などでビットコインを手中にした場合は、売却しなければ税金は発生しません。

マイニングを実行する場合、初心者でも分かりやすいマイニング制作の「MINER GATE」があり、使いやすいGUI(Graphical User Interface:画面を見ながら操作できる画面)に対応しています。「MINER GATE」は、インターネット上よりダウンロードが可能です。

ただ、マイニング操作の難易度が非常に高くなっているため、利益を上げるためにスペックの高いパソコンも必要であり、当然電気料も数時間分かかり、元を取るには数年かかると予測されています。

その為、最近は、「クラウドマイニング」と呼ばれる多くの仮想通貨利用者が連携して、複数のパソコンをインターネット上で接続。マイニングを実行する手法も出てきています。

どの段階で仮想通貨に税金がかかるのか

利益の確定で課税の対象に

仮想通貨などで購入、売買など利益が発生した場合に、どのタイミングで税金が発生するのかは様々なパターンが考えられます。

ビットコインや、少額投資で大きな取引を行うレバレッジ取引、信用により持分以上の資金の投資をする信用取引などによって利益が発生すれば課税対象となり、税金が発生します。

例えば、ビットコインと日本円、ドルとの取引きによって利益が出れば課税対象となります。これは、各々の国の取引所でも同様に税金が生じます。

異なる仮想通貨同士の取引、利益が出れば課税対象に

現物取引の場合は、日本円をビッットコインなどの仮想通貨に取引し、購入額が上昇した時に、日本円に取引し売却。利益が出た時に税金が発生します。

現物での取引も日本円、ドルなどをビットコインに取引、そのビットコインをアルトコインに取引します。

アルトコインが上昇した時にビットコインに再度取引して売却し、利益が出れば税金が発生します。

仮想通貨の各々の国の取引所を経由する場合には、日本円をビットコインに取引し国内外の仮想通貨取引所に送金します。

その取引所でビットコインをアルトコインに取引し、アルルトコインが上がった時点で再びビットコインに取引。売却して、利益が出た時点で課税対象となり、税金を納める義務が発生します。

学生も仮想通貨の税金を払う義務はある?

仮想通貨の売買や取引によって利益が出た場合、学生も税金が発生します。

ただし、学生や社会人に関わらず、仮想通貨で利益が出た時の税金は、50万円までは税金は発生せずに非課税となります。

仮想通貨のビットコインでは、売買や取引に関しての年齢制限はなく学生・未成年でも保護者の同意があれば口座を開設できる取引所もあるなど、取引所によって対応は異なっています。

よって、口座開設が可能な取引所では、学生・未成年であっても一定の利益が得られれば税金を納める義務が生じます。

平成29年は、仮想通貨の確定申告の元年と言われ、学業では仮想通貨などを学ぶ機会はほとんどないでしょう。

仮想通貨や、それに関わる税金に興味津々学生もいると思われます。仮想通貨は大人でも半信半疑な利用者が多いことから、このような教育が誕生すれば正しい仮想通貨について理解してもらえることになるでしょう。

仮想通貨に税金が発生しないケースとは

仮想通貨は、国が発行・保証している法定通貨とは異なり、金(ゴールド)などの資産という位置付けであるため、仮想通貨などの売買や取引には、税金が発生していました。しかし、平成29年7月1日より法改正により消費税は撤廃となりました。

これは、日本円、ドルをビットコインに取引、そのビットコインで買物をすると二重に税金・消費税が徴収されるからです。

国を越えて送金が行える通貨機能を持っている仮想通貨でありながら、 G7(先進7カ国)の中では仮想通貨に消費税がかかっていたのは日本だけでした。

また、今回の法改正によって平成29年7月1日から50万円の特別控除枠が設けられました。仮想通貨などでの売買や取引によって利益があっても50万円以下では税金はかかりません。

ただ、仮想通貨以外に金(ゴールド)などの譲渡所得がある場合、すべてを合算して50万円以下となれば税金がかからなくなります。

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仮想通貨の税金の支払い期限

仮想通貨により利益を出した場合、税金の支払い期日は、平成29年の1年分、仮想通貨の利益を提示した確定申告書が必要です。税金の支払期日は、平成30年3月15日までです。

なお、平成29年の確定申告の申請は、平成30年2月16日〜3月15日までとなっております。

期日直前は駆け込みも多く込み合い、書類の不備など問題となることもあります。

また、仮想通貨に関する相談・問い合わせも多数あると予測されていますので、早めの申請を心がけた方がいいでしょう。

仮想通貨に関わる税金は、税務署から知らされませんので、納付書に必要事項を記載後、管轄の税務署や金融機関で税金を収めることになります。

申告前、事前に手続きを済ませておけば、コンビニ専用納付書を受け取りコンビニで納付できたり、金融機関の預貯金口座から振替で税金の納付もできます。

インターネット上では、国税局のe-Taxウェブサイトから電子納税も行えます。

仮想通貨の税金の節税対策

ビットコインなど仮想通貨に関した税金の対策としては、法的に譲渡所得または雑所得となり、50万円の特別控除が設けられていますが、1年間で50万円を超えると税金が発生します。

節税への対策としては一つの方法として、ビットコインを取り扱っているデビットカードなどを使用。仮想通貨で買い物をすれば税金はかかりません。

デビットカードは、商品を購入した時点で同時に金融機関の口座から商品代金が引き落とされる即時決済型のカード。世界中の国際ブランドの加盟店などでも使用が可能です。

実際に、富裕層では仮想通貨に対して合法的な税金対策をしている場合があり、香港やシンガポールなど意図的に税金を優遇するなど富裕層の資産を誘致するタックスヘイブンなどに移住しているのが現状です。

税金対策としては、海外などを転々とし、仮想通貨で買い物をすれば、税金の追跡は難しいでしょう。

脱税はやめましょう

これまで仮想通貨は十分な法律が整備されていませんでしたが、少しずつ整備しつつある状況に、ビットコインなど仮想通貨に関わる所得税には、税務署も相当きびしくなってきています。

これまで、見過ごされていたことも平成29年の仮想通貨元年からは、罰則など厳しくなることが予測されます。

仮想通貨では知名度が高いビットコインは、平成29年8月30日現在、年初来385%も上昇。

同様に仮想通貨のイーサリアムも上昇率は4,000%に達し、仮想通貨利用者によってはかなりの資産を作り上げたと予測されます。

少額であれば問題はありませんが、大きな金額になると金融機関を通すことによって税務署も見ています。

仮想通貨などに関する税金は、必ず収めなければなりません。

仮想通貨での脱税は時効が最大7年あり、延滞税など過去最大で7年遡り7.3%〜14.6%の利子が加算されることになります。

また、本来収めるはずである税金額の35%〜40%の加算税を納付することとなるため、脱税などは考えず正当な税金の納税を心がけましょう。

ビットコイン混乱から信頼回復、価格は最高値を更新

平成29年8月1日、中国の法人事業者がビットコインキャッシュという新しい仮想通貨をつくる作業を始めたことによって、仮想通貨のビットコイン内で分裂が始まりました。

ビットコインキャッシュが開始されればビットコインの価値が低減する可能性もあるため、日本国内の主な仮想通貨取引所は、市場混乱を避けるために一部のビットコイン取引を停止しました。

日本の大手仮想通貨取引所のビットフライヤーは、ビットコインの送金を停止。

また、日本仮想通貨事業者協会に加盟する13の取引所もビットフライヤーに合わせ入出金を見合わせました。

その後、約1カ月で大きな混乱もなく、投資先としての信頼感も回復しました。分裂直前の1ビットコイン価格は約30万円で推移していましたが、約1カ月で50万円を超え最高値を更新しました。

仮想通貨に税金はかかる?話題のビットコインについて法改正がある?のまとめ

仮想通貨は広がりを見せており、まだまだ法整備が追いついていないのが現状です。

平成30年の確定申告の前には、税金に関して数多くの問い合せが税務署に殺到すると予測されています。

仮想通貨については随時、追加・更新される情報を得て対策を講じなければなりません

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