今や投資の認知度が上がり、グローバルに海外投資をする人も増加しています。しかし、未知の国に投資をするのは気がひける人も多いのではないでしょうか。

特に、2030年には中国を抜いて世界人口第一位となるインドは、投資先としても注目されています。経済成長率も7%をキープしており、BRICSの一つとして工業化にも力を入れています。

経済大国になりつつあるインドに、投資してみたい人は多いもの。しかも、日本にいながらインドへ投資する方法もいくつかあります。

米国株同様に購入できるADR

現在、直接インドの上場株式を購入することはできません。個別株は規制を受けるため、日本人に限らず海外の個人投資家はインドに投資しづらい状況にあります。

しかし一部のインド株については、米国市場に上場しているため、米国株同様に購入することが可能です。ADRとは、American Depositary Receiptの略で、米国預託証券と呼ばれるものです。米国以外の企業が資金調達のために、預託機関を通じて上場している株式のことです。

日本から購入できるADRはごく一部ですが、自動車産業で有名なタタ・モーターズ(TTM)や、民間大手のHDBC銀行(HDB)などが購入できます。

購入方法は米国株と同じなので、各証券会社から米国株同様に注文を出し、売買手数料を支払うのみです。ドル建てで購入できるのも魅力で、為替を気にせずに済みます。

とはいえ、投資情報は英語が基本になります。語学が堪能でないと万が一の時に対応が遅れるなど不利益を被ることがあります。

積立投資が可能な投資信託

しかし、日本にいながらとなると、ADR株は手数料の高さなどがネックになります。投資に対する情報も限定的なので、個別株の値動きについていけない人もいるでしょう。

そこで活用したいのが、複数の商品が組み合わされた投資信託(=ファンド)です。プロが運用をしてくれるため、信託報酬という手数料を支払うことで運用の手間を省くことも可能です。

人気がある投資信託としては、HSBCインドオープン(HSBC)などがあります。HSBCインドオープンは、自動車メーカースズキのインド子会社などが投資対象に含まれたファンドです。

また、高成長インド中型株式ファンド(三井アセット)は、2011年に設定された新しいファンドです。年4回の分配金を出しており、東レの関連会社であるCentury Textilesが組み込まれています。

さらに、古くからインド株式の投信を提供しているのが、りそな銀行です。アムンディ・りそなインド・ファンド(イーストスプリング・インベストメンツ)は、マハラジャという愛称で呼ばれており、年2回の分配金が魅力です。HDFC銀行やICICI銀行といった銀行銘柄が比率として高くなっています。

初心者ならばETFがおすすめ

インド株式を組み入れた投資信託は、アクティブファンドが中心で信託手数料が高めなのがネックです。信託報酬の安さでいえば、上場している投資信託であるETFがおすすめです。一般の投資信託よりも初心者でも運用しやすい金融商品となっています。

例えば、ウィズダムツリー・インド株収益ファンド(EPI)は、インドを代表するSENSEX指数に連動するETFです。こちらはニューヨーク市場に上場しているので米国ETF同様に購入できます。マネックス証券経由ならば、購入手数料ゼロで買付が可能です。

インドはアジア市場でもあるので、香港市場にも上場しているETFもあります。香港市場に上場しているETFとして、iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア・インデックスETF等があります。こちらは、HDFC銀行等の金融・銀行系企業を中心に構成されています。

ETFであれば、信託報酬が1%以下とランニングコストが低いのが魅力です。ただし、ETFは投資信託のように積立投資ができないため、売買のタイミングを自分で選択しなければいけません。

ルピー連動やインド債券などでリスクヘッジ

ETFであれば、ランニングコストは低めで済みますが、インド株式中心となるとリスクは高めとなります。低リスクでの投資を望むなら、ETFの中でもルピー連動のNEXT FUNDS インド株式指数Nifty 50連動型上場投信等でリスクヘッジする手もあります。

インド以外にも投資したいということなら、新興国株式中心で構成された 新興国ETFもおすすめです。今後経済成長が見込めるアジア諸地域に分散して投資可能なのも魅力です。

株式以外となれば、債券への投資もあります。野村インド債券ファンド(野村アセットマネージメント)は、モーニングスターのファンド・オブ・ザ・イヤー2016の債券部門で優秀ファンド賞を受賞しています。

有望なインドへの投資は慎重に

インドは、経済発展が期待される新興国BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アメリカ)の一つとして世界中から注目を集めています。日本にいながらできる投資も選択肢が広がってきました。

しかしながら、ADR株や投資信託、ETFなど金融商品にはそれぞれメリットとデメリットがあります。金融商品の特性を押さえることが、何よりも新興国という高リスクな投資対象へのリスクヘッジとなります。

インドは高度経済成長の中にありますが、将来的に海外資本が引き上げられる可能性もあります。有望なインドではありますが、慎重な投資姿勢が求められるといえるでしょう。

≪記事作成ライター:Saya≫
川村学園女子大学非常勤講師(専門分野:アジア宗教史)、中高一貫校で社会科非常勤講師をしつつ、分かりやすい海外情勢・投資情報を提供している。Sayasayanの株日記

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