ビックマック指数2019年
7月14日にビックマック指数2019年がエコノミスト誌で発表となっております。2019年データーを確認すると、55カ国平均は、1位は5年連続スイスでビックマック1個の値段が6.54ドル相当ということで日本円では、710円相当となっております。反対に55カ国中の再下位は、ロシアで2.04ドル相当で222円相当です。マレーシアがブービーとなっています。2位に浮上したアメリカの強さが目立ちます。
ビックマック指数はGDPに連動する
各国のドル建てのビックマックの価格は、ドル建ての1人あたりGDPに相関があるので、に急落や急上昇するのではなく安定的に上昇するのが望ましいです。2018年から2019年ではやはりアメリカが強いです。
ビックマック指数は購買力平価の先行指標となる。
長期にわたる為替レートの決定理論で、スウェーデンの経済学者カッセル氏によって提唱されました。購買力平価説には、絶対的購買力平価説と相対的購買力平価説があり、前者の絶対的購買力平価説は、為替レートは2国間の通貨の購買力によって決定されるという説です。具体的には、例えばアメリカでは1ドルで買えるハンバーガーが日本では100円で買えるとするとき、1ドルと100円では同じものが買える(つまり1ドルと100円の購買力は等しい)ので、為替レートは1ドル=100円が妥当だという考え方です。
絶対的絶対的購買力平価説において購買力平価(PPP)とビックマック指数は連動しますが、世界銀行などは前年の購買力平価(PPP)を年央に発表するので、ビックマック指数の方が先行することになります。
購買力平価とドル円レート関係について
購買力平価(PPP)は長期に円高トレンドですが2013年に底を打っています。
購買力平価のプラス20%からマイナス20%の帯とドル円レートのその年の最円安と最円高の帯を確認するとドル円レートは購買力平価のプラス20%からマイナス20%の範囲内で推移していることが分かります。
ビックマック指数のPPPレートが2018年から2019年で70.78円→69.76円になっていることから判断すると現在の購買力平価から判断するドル円レートの円安の上限は118円となります。
※購買力平価は世界銀行(http://www.worldbank.org/)のものを使用
物価上昇率を考慮した相対的購買力平価説
一方の国の物価上昇率がもう一方の国より相対的に高い場合、
その国の通貨価値は減価するため為替レートは下落するという考え方が相対的購買平価説となります。
物価の上昇率と名目金利から実質金利を算出して日米の実質金利差を見ると、
最近では2015年がピークで2017年と2018年は緩やかに円高に進んでいます。
※実質金利は世界銀行(http://www.worldbank.org/)のものを使用
直近データーから見る2019年のドル円相場展望
日米の2年金利とCPIから簡易的に算出した実質金利差の直近データーは上昇中で、
12ヶ月平均は2017年3月に底を打っていますが、2018年後半から横這いです。
12ヶ月平均が転換してから1年くらいで為替レートが動き出すので、
2019年は後半に向かって円高が進行することに備える必要があります。
※簡易的実質金利差=(米国2年金利-米国CPI)-(日本2年金利-日本CPI)
強いアメリカは生活者レベルでは苦しい
ビックマック指数で強さの目立つアメリカですが、家計可処分取得で強いです。しなしながらビックマックの単価で、家計可処分取得を割ってビックマックの購入可能数を確認すると長期的には右肩下がりです。生活者のレベルで見ると暮らし辛くなっているのではないでいしょうか。トランプ大統領の登場の背景でもあるかと思います。生活者が苦しいと政治経済が安定しないので通貨安要因になります。