2016年は国富が上昇

内閣府が2018年1月17日発表した国民経済計算確報の統合勘定(Excel形式:85KB)を参照すると、正味資産で示される国富が2016年末時点で3350.7兆円となったことが発表されました。
2年ぶりに前年の3296.9兆円から上昇しました。

国富とは

国富は、住宅などに代表される固定資産・土地に代表される非生産資産・金融資産を合計したの資産から負債を差し引いた国全体の正味資産のことですが、自然災害や戦争・その他の出来事に大きく減少することがあります。これを「国富の喪失」と言います。

国民資産残高は2016年末で1京496.7兆円、負債残高は7146.0兆円となりました。過去最大となっております。1969年からのグラフを見て分かる通り、固定資産と非生産資産の合計がほぼ国富の残高に近いですが1990年以降は横ばいから下降ラインとなっています。1990年までのバブルにつけた土地の価格の減少分を主に住宅優遇の景気対策で補ってきましたが、総人口の減少が2005年より始まり固定資産の上昇も止まっているからです。

固定資産と非生産資産のような実物資産が上昇しないのと比較して金融資産の上昇は顕著だからですが、1995年や2011年の円高局面では企業の海外進出が進み対外資産残高は増えます。

反対に負債の方は、海外投資家の国内株式の保有残高が上昇すると対外負債が増えます。海外投資家の日本株の保有比率は1970年の頃は、5%程度でしたが2016年末で30.1%まで増えています。2012年より日経平均株価が年間で上昇を続けているので、評価額も上昇して対外負債も増やします。

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国富の比率が減少と経済の効率

45年間で資産に対する国富の比率は、5割レベルから3割レベルに減少しています。
経常収支が黒字であれば対外資産が増えて、赤字であれば対外負債が増えます。

このように国のストックである資産が上昇している中で、フローに相当するGDPは伸び悩んでいます。名目GDP÷国富は、企業でいうとROEに相当しますが以前は25%を超えてましたが現在は16%程度です。
この数字を見ても日本経済の効率は低下していると言わざる得ません。

2017年の展望ですが、円安が進むと対外資産・対外負債の両方の評価額が増えて国富の比率を下げることになりますが、2016年末→2017年末で為替は、116円→112円なので3.6%ほど円高でしたので対外資産・対外負債を減少させます。
さらに海外投資家が7.5兆円ほど国内の株式を買い越したのは対外負債の上昇となります。
経常収支も2016年より黒字幅が大きくなる見込みです。

以上を総合すると2017年の国富は、2016年に対して上昇すると予想します。

効率向上のためには賃上げに加えて高齢の無職世帯対策も必要

2月9日に日銀が発表した貸出先別貸出金で不動産融資の額が1977年以来の水準となっていますが
四半期ごとのペースは落ちてきています。
節税アパートなどで固定資産は増えるものの、日本中の固定資産の老朽化が進み付加価値を生まない状態を解消すべきと考えます。新築よりも空家対策の政策を出してもらいたいです。
消費を引き上げるために、政府が主導して賃上げの機運が上がって来ています。
しかしながら最新の家計調査のなどを見ると既に30%を超えている高齢の無職世帯対策もしないと全体の消費は増えません。

高齢の無職世帯への対策

高齢の無職世帯への対応としては
①持ち家の売却をスムーズにする中古住宅市場の充実
②リバースモーゲージへの拡大支援
の2点が有効かと思います。

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