近年、政府は「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げ、貯金ではなく投資等の資産運用の必要性を呼び掛けています。
政府の思惑としては「貯蓄から投資へ」の流れが促進されることで、家計から企業への資金供給が拡大し、起業や新産業の育成なども含めて日本経済の成長につながるという思惑があるとされています。
またマイナス金利や消費者物価指数を2%上昇させる「インフレ目標2%」という政策が発表される中、スローガン通りに投資の必要性はこれまで以上に出てきているのが実情です。
しかし投資と一言に言っても種類はたくさんありそうだし、名前はややこしいしよく分からないものだと思っている人が多いのではないでしょうか。
実際にその通りで投資にはたくさんの種類があり、それを完璧に理解している人のほうが少ないものです。
そこで今回は簡単に代表的な投資の種類を7つピックアップして、それぞれの特徴を簡単にまとめてみました。
株式投資
株式投資とは会社が発行している株に投資することです。
自分の知っている身近な企業の株に対しても手軽に投資することができますし、実際に自分が良いと思ったサービスを提供している企業の株を購入することもできます。
そのため、経済の流れを知るためやある意味ゲーム感覚で株式投資を始めてみる若者層もいるようです。
しかし実際にはしっかりと株式投資で収益をあげようとすると並大抵のことではありません。
株式投資は市場のトレンドの影響を受けやすく収益を安定してあげていくためには、常に企業や社会の動向を気にして行かなければなりません。
そのため、売買のタイミングも含めて、時間と経験、知識が必要でリスクは高い部類の投資だと言えます。
FX
ドルやユーロなどの外国通貨(為替)を交換、売買することにより、その差益を目的とした金融商品です。
株式投資のように数多くの銘柄があるわけではなく通貨の種類は比較的少ないため分かりやすく取っつきやすい部類ではあります。
また手数料も安く24時間取引が出来ることも利点の一つかと思います。
さらにスワップ金利を利用して長期的な投資を検討することも出来ます。
スワップ金利とは現在の日本ような低金利の国の通貨で高金利の国の通貨を購入した際に生じる差分の金利です。
例えば、日本の金利が0.1%だとして、ニュージーランドドルの金利が2.5%だったとすると差分の2.4%で高金利の運用が出来、長期的な資産運用が可能だというものです。
しかし気を付ける点としてレバレッジという手法があります。
レバレッジとは自分の資金を担保とすることで資金以上の大きな金額を動かせるという手法です。
国内業者だと最大で25倍まで動かせますが、うかつにこの手法に手を出してしまうと手持ち以上の損害を出してしまう危険性、中毒性があるので、程よくコントロールすることが大切です。
債権
株式投資やFXに比べて初心者の向いている手法だと言われています。
債権とは国や地方自治体、民間企業が資金調達のために発行する有価証券です。
借用証書のような位置づけになりお金を自治体などに貸し付けその間の金利を受け取れるイメージです。
利率と満期日が事前に決まっており、安全性も高く資産運用としての計画も立てやすいものになっています。
しかしその反面、利率は決して高いものではなく、逆に満期日までお金を引き出せないということにもなるのでデメリットにもなり得ます。
またもちろん自治体の経営破綻や企業の倒産などで回収出来ないリスクも確率は低いながらに、あり得ます。
商品先物取引
金(きん)やガソリンなどの実体のあるモノを対象に将来の価格を予想して行う取引となります。
商品先物取引のメリットとしてはまず、買いからでも売りからでも取引ができるというものです。
つまり値下がりするであろうと予想したときは売りから入り、予想どおり値下がりしたら買い注文を出して、その値幅の差額を利益として得ることができます。
また金やガソリンなどの価値下がることはあっても価値がゼロになることはおそらくないため比較的安全な部類になります。
しかしガソリンはそれでも比較的大きな値動きをするため短期間での大きな収益、損失どちらもあり得ます。
反対に金は値動きはさほど大きなものではないので大きな収益は見込めません。
必要性に合わせてしっかりと銘柄から考えることが必要です。
不動産投資
比較的メジャーな資産運用のひとつだと思いますが、アパートやマンションを買って、他の人に貸すことで資産を運用手法です。
長期に渡って収入を得ることが出来ますし、ローンを返済し終われば家賃収入の大半が収益となります。
また不動産投資の場合は住宅ローンとして銀行からの借り入れもしやすいため、意外と始めやすいものではあります。
しかし空室によって安定した収入が見込めないリスクは高いです。
立地条件をしっかりと把握した上で始めないと気づけば空室だらけで損失が出てしまう場合もあります。
加えて修繕費や管理費のコストがかかる上に個人所得の場合は税金も高くなります。
慎重な物件探しが必要です。
投資信託
投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、ファンドが株式や債券などに投資・運用しその運用の利益を投資家に還元する手法で最も人気な資産運用の手法のひとつです。
ファンドに任せて購入できるのでどんな株に投資したら良いかわからないという運用初心者でも安心して開始できます。
また少額からの運用が可能な上、複数の対象に分けて分散投資を行いリスクを減らすことができるのも魅力の一つです。
しかし当然プロに任せることで費用が発生しますし、その手数料は比較的高いです。
また投資信託会社はそうした運用手数料で利益を上げているため成果をあげることを第一の目標とせず売りたい金融商品を勧めてくるだけの場合もあり得ます。
またプロに任せきりになり、自分自身の資産運用に関する知識、経験を増やすことは難しいです。
主な投資・資産運用種類のリスクとリターン相関図
個人向けヘッジファンド
投資信託を運営している一般的な資産運用会社とは異なり私募でお金を募るファンドになります。
プロに任せるという点では投資信託と近しい部分も多いです。
しかし投資信託と比べると、運用手数料が安いことが多く、そして何より運用の成果が会社の収益に直結し信用にかかわるため、運用の成績、利回りが基本的に比較するとかなり高いことがほとんどです。
また運用の実績を定期的に報告されるため、ファンドマネージャーたちと話しながら現在の市場の状況などを勉強していくことも可能ですので自分の知識、経験を増やしていくことも可能です。
しかしネックとなるのは大口からの投資を受け入れているところが多いというところです。
まずは少額で資産運用をしてみようという方にはお勧めしづらいものではあります。
あなたに合った資産運用を
ざっくりと代表的な投資の手法を上げましたが、どの手法においてもこのように一長一短があるためご自身の資産や期待する利回り、リスクに見合った投資手法を取るのが一番です。
しかしどのような投資においても十分な勉強が必要でありそんな中で確実な収入を得ていくことを目標とするならば個人的には最後にあげた個人向けのヘッジファンドをお薦めします。
これまで上げた運用手法でいうと、投資信託が圧倒的な人気を誇っていますが、上述したようなメリット・デメリットを比べた際に投資信託と個人向けヘッジファンドの両者でいえば利回りが高く、自身の知識も身につくヘッジファンドをお薦めします。
運用の知識・経験がついてからそれ以外の株式投資や不動産投資といった手法で個人で運用していっても遅くはないのではないでしょうか。