フリーランスという生き方は一見自由に見えますが、一方で会社員と比べて不利なところもたくさんあります。

様々な社会保障の仕組みは基本的に絶対数の多い会社員にとって都合の良いように設計されていて、そのことに独立してから気づく人もたくさんいます。特に格差が大きいのは年金です。フリーランスは会社員と比べて将来受け取れる年金が少ないため、老後の生活に不安を覚えている、という方も少なくないでしょう。

そのような悩みをお持ちの方におすすめしたいのが付加年金です。付加年金は国民年金保険料を納付しているフリーランスの人間ならば誰でも加入できる上、少しの拠出だけで将来のリターンを大幅に増やすことができます。

付加年金は費用対効果が抜群!

付加年金は、普段払い込んでいる国民年金保険料に、毎月400円づつ上積みすることによって、将来受け取れる国民年金(老齢基礎年金)の額を増やせる制度です。対象は国民年金を直接納めているフリーランス・自営業者など。会社員、公務員などは対象外です。

付加年金が払えるのは、20歳から60歳までの期間です。そのため、最大支払期間は最大で40年(480ヶ月)になります。仮に40年間ずっと付加年金を収め続けた場合、総支払額は400円×480ヶ月=19万2000円となります。

一方、付加年金を払ったことによって将来受け取れる金額は、年額で「200円×付加年金を払った月数」です。仮に40年間付加年金を支払い続けた場合、年金額は200円×480ヶ月=9万6000円となります。

この金額を、本人が亡くなるまで毎年受けることができます。つまり、40年間で19万2000円払うと、その後亡くなるまで毎年9万6000円が受け取れるわけです。たった2年で元が取れてしまうのです。これは付加年金を払った月数が10ヶ月でも100ヶ月でも480ヶ月でも全く変わりません。どれだけ払っていても、2年で元が取れるのです。

仮に年金受給開始年齢から20年間生きた場合、受け取れる金額は合計で9万6000円×20=192万円です。なんと、支払った総額の10倍もの年金が受け取れるわけです。

付加年金加入の手続きはとっても簡単

付加年金の手続きには市区町村役場でできます。時間は10分もかかりません(待ち時間は除く)。申込みには基礎年金番号が必要なので、年金手帳と印鑑を持っていきましょう(自治体によっては他に何か必要なものがあるかもしれません。事前に市区町村役場に電話し、確認しておきましょう)。

物価変動に対応していないことに注意

このように付加年金は色々とメリットが多い制度ですが、もちろんデメリットもないわけではありません。一番のデメリットは前述の通り会社員や公務員が加入できないことですが(最も、彼らは付加年金以外の点でフリーランスより遥かに優遇されています)、それ以外にも物価変動に一切対応していないことについて把握しておかなければなりません。

皆さんも御存知の通り、物価というのは常に一定ではありません。年によって上がったり、下がったりします。物価が上がるということは、お金の価値が減るということです。物価が下がるということは、お金の価値があがるということです。

付加年金を受け取る時期に物価が上がっていると、額面は同じでも実質的な受給額は少なくなってしまうので注意が必要です。もちろん、逆に物価が下がっていれば、額面は同じでも実質的な受給額は多くなります。このあたり、数十年後の未来がどうなっているかは誰にもわかりませんが、長期的に見れば物価は緩やかに上昇する傾向があるので、実質的な元を取るのに時間がかかってしまうかもしれません。

付加年金をもらうと介護保険料が増える?

介護保険料は40歳以上の人が支払う保険料ですが、40~64歳までと65歳以降では計算方法が違います。65歳以上の場合は、市区町村ごとに定められた介護保険料の基準額に、所得ごとに定められた保険料率を掛けた値が介護保険料となります。つまり、基準額が高く、所得が大きいほど介護保険料は高くなるわけです。

そして、付加年金の受給額も所得に含まれるため、付加年金をもらうと介護保険料は高くなってしまうわけです。

ただし、これは現時点の制度の話です。数年後はまだしも、数十年後も同じような仕組みが維持されているとは限りません。現時点で20代、30代の人が、介護保険料惜しさに付加年金を諦めるのは非常にもったいない話です。

付加年金は繰り上げ・繰り下げ受給も可能

付加年金は国民年金(老齢基礎年金)と同じく、5年を限度に繰り上げ・繰り下げられます。繰り上げ受給をすればそれだけ早くから年金がもらえますが、1ヶ月早めるごとに0.5%年金が減額されてしまいます。仮に5年繰り上げた場合、年金額は30%も減ってしまいます。

逆に1ヶ月遅らせるごとに、0.7%増額されます。5年繰り下げた場合、年金額は42%増えますが、早く亡くなってしまうと結果的に損をすることになります。

ここまで書き連ねてきましたが、付加年金はフリーランスならばメリットのほうがデメリットよりも大きいことは間違いありまえん。将来の見通しが不安な方は、加入を検討してみて下さい。

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金融・ 経済関連の記事をメインとしたフリーライターをしています。様々なジャンルの本を読み漁っていますので、 自分の記事が投資家の皆さんの利益となるように情報発信に努めていきます。