株式と債券はどちらも投資初心者にもそれなりに馴染みのある投資対象ですが、実はこの両者は基本的に逆の値動きをする特性があります。株式価格が上がれば債券価格は下がり、株式価格が下がれば債券価格は上がります。

もちろん現代の市場の仕組みは非常に複雑であり、この通りに価格が必ず動くわけでもありませんが、この傾向を知っておくことは役に立つはずです。

株式価格と債券価格に影響を与える市場金利

株式価格と債券価格に大きく影響を与えるのが、市場金利です。市場金利とはお金を貸し借りするときの基準となる金利のことです。特に債券はお金の貸し借りですから、市場金利の影響をモロに受けます。

例えば、現在100円で発行された償還期間5年、利率3%の債券を持っているとします。この債券を5年間持ち続ければ、毎年3円の利息を受け取ることができ、なおかつ最終的には元本の100円を受け取れます。債券は償還期間まで待てば必ず元本が返ってくるものです。

しかし、償還期間まで待たず、債券市場で売却することもできます。待てば必ず元本が返ってくるのに市場で売却する必要はないのでは?と思われるかもしれませんが、例えばその債券の発行元(企業や自治体、国など)が5年後まで持たないと判断した場合は、元本割れの可能性があったとしても市場で売ってしまったほうが良いということになります。また、債券価格が利率以上に上昇している場合も、やはり市場で売ってしまったほうが良いということになります。

市場金利と債券価格は逆の値動きをする

仮に市場金利が5%まで上昇したとします。すると、新たに利率5%の債券が発行されます。既存の利率3%の債券と、新規の利率5%の債券では、どちらが魅力的でしょうか。言うまでもなく5%の債券ですね。より魅力的な利率5%の債券が100円で売られている以上、それよりも魅力の少ない利率3%の債券の市場価格はどうしても100円より低くなります。同じ価格で売られていたら、誰も利率3%の債券を買わないからです。市場金利が上がると、既存の債券の価格は下がるのです。

逆に、市場金利が1%まで下がった場合は、既存の利率3%の債券の価値が相対的に上がるため、市場価格は100円よりも高くなります。このように、市場金利と債券価格は正反対の動きをするのです。

市場金利と株式価格は同方向の値動きをする

次に、市場金利と株式価格の関係性を考えてみましょう。市場金利が上がると、前述の通り既存債券の価値は低くなります。そのまま債券を持ち続けても、大した金利は期待できないわけです。となれば、わざわざ債券に投資するよりも、高い利回りが期待できる株式にお金が流れるはずです。株式市場に大きなお金が流れると、株式供給量に対する需要量が大きくなるので、それだけ株価は上昇します。

逆に市場金利が下がれば、既存債券の価値は高くなるので、わざわざ株式に切り替えるメリットが発生せず、株式市場にお金が流れなくなり、株価は下落します。

また、一般的に、好景気のときは金利が上がります。そして好景気のときは株価も上がります。不景気のときはこれと真逆の現象が起こります。

株式と債券に分散投資することによってリスクヘッジが図れる

市場金利が高くなると債券価格は下がり、株式価格は上がることがわかりました。逆に市場金利が低くなれば、債券価格は上がり、株式価格は下がることもありました。これから言えることは、株式と債券に分散して投資すれば、リスクが減らせるということです。

仮に投資を始めた後に市場金利が高くなれば、債券価格は下がってしまいますが、その分株式価格が上がるのでカバーできます。市場金利が低くなれば、株式価格は下がってしまいますが、その分債券価格は上がるのでカバーできます。金利がどちらに動いた場合でも、下がった一方を、もう一方がカバーしてくれるのです。

投資の世界で長く生き残るコツは、とにかく大損をしないことです。リスクを分散させることによって大損の可能性が低くなります。資産は積極的に分散していきましょう。

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