著しい人口の減少傾向による経済の停滞化、年収の減少、少子高齢化の進行による2050年問題……さまざまな問題を抱えている私たちの国、日本。
やがて訪れるかもしれない年金制度の破たんを予測するにあたって、重要視されているのが個人の資産形成です。将来のために、自らが率先して資産運用をせざるを得ない時代が到来しています。
とはいえ、資産運用と聞いてもピンとこない、やり方がわからない、難しそう……、そんな意見が多いのも事実ではないでしょうか。損をしそうで怖くて手を出せない、という人もいるかもしれません。
そんなイメージを持つのはなぜなのか。また、オススメの資産運用が本当にあるのか。
難しくない、安全な資産運用のひとつである「貸付型クラウドファンディング」についてご紹介します。
国によってこんなに違う、資産の内訳
日本人の個人金融資産総額はなんと1700兆円以上*にものぼります。では、その資産の内訳はどうなっているのでしょうか。内訳比率を見てみると、欧米と日本ではその内容がまるで違うことがよくわかります。
■家計の金融資産構成(日米は2016年9月末、ユーロエリアは2016年6月末現在)
資産をそれぞれ100とした場合、ユーロエリアでは現金・預金は34.6%ですが、債券、投資信託、株式・出資金などの金融商品を合わせると28.7%に。いわゆる資産運用枠に値する分がおよそ3割弱を占めています。
アメリカの場合はもっと顕著です。現金・預金は13.9%なのに対し、前述の金融商品は株式等だけで35.4%を占め、合計で51.2%と資産の半分以上となります。
それに対して、預金比率がきわめて高いのが日本です。預金・現金の合計で52.3%と半分を超え、アメリカの資産運用分に匹敵するほどに。
さらに、日本で資産運用に費やしている比率はどの程度かというと、債券が1.5%、投資信託が5.0%、株式等は8.6%と、合計しても15.1%止まりであり、他国に比べて低い水準であることがわかります。
資産運用に対するイメージが差を生む
では、なぜこんなにも国によって差がでるのでしょうか。
それはどうやら、日本人の資産運用に対するイメージにあるようです。表を見てみると、回答は「難しい」が65%でトップ、次いで「怖い」が55%と、資産運用に対してマイナスのイメージを持つ人が半数以上にのぼることがわかります。
■資産運用に対するイメージ
資産を運用する金融商品には専門用語が多いなど、難解であることも要因のようですね。予備知識が必要なうえ、ある程度経験がないと対応できないため、「難しい」というイメージが定着しているのかもしれません。
また、過去に「株で大損を出した」などというニュースが話題になったことも影響しているのでしょうか。資産を目減りさせたり、失ったりする可能性を危惧して、「怖い」という印象を持つ人が多いと思われます。なかには、「株の取引は専門家がやること」と、思い込んでいる人も少なくないのだそう。
ただ、3番目には「儲かる」という回答もランクインしています。リスクを心配するだけでなく、ポジティブな考え方を持つ人も少なからずいるようですね。
では、金融に関する予備知識がない人でも簡単に、しかも着実に、資金を増やす可能性がある金融商品はないのでしょうか。
最近注目を浴びているプロジェクト
「そんな都合のいい金融商品があるはずがない」
「簡単に資産を増やせるとは思えない。リスクを考えてしまう」
「危ない商品なのでは?騙されそうでコワイ」
あちこちからそんな声が飛んできそうですが、「クラウドファンディング」という言葉なら聞いたことがありますよね?
「クラウドファンディング」とは、大勢の人からインターネットを通じて少しずつ資金を集める資金調達の方法です。
たとえば、最近話題になっているのが「島にいる猫の命を救いたい」、「オリンピックに出場するための遠征費用を集めたい」、「古民家をリノベーションしてカフェを提供したい」などといったアイディアやプロジェクトです。
ネット上に掲載されたプロジェクトの主旨に賛同した人々は少しずつ資金を提供します。目標となる金額に到達し、プロジェクトが成功すると、資金提供者にお礼としてリターン(商品や権利など)がもらえるというしくみです。提案者の夢や希望を一緒に応援する、支援する、そんな気持ちでクラウドファンディングを始めた方もいらっしゃることでしょう。その気持ちはとても有意義ですが、残念ながら通帳の残高は増えていきません……。
難しくない、安全な資産運用があります
そこで、オススメしたいのが「貸付型クラウドファンディング」です。
しくみは前述のクラウドファンディングと同じで、インターネットを通じて個人の投資家から小口資金を募集します。小口の資金を集約して大口化し、資金の需要がある企業や海外の金融機関に融資を行います。返済には利息がつくため利益が出ます。その利益が運用利回りとして個人の投資家に分配される、というしくみです。
つまり、モノや権利などをもらうのではなく、お金がもらえる、稼ぐことができる、という商品で、クラウドバンクが投資家と融資先の間に入ることになります。
■貸付型クラウドファンディングのスキーム
※CloudBankのイメージ
株式投資と比べてみると、貸付型クラウドファンディングには次のようなメリットがあります。
・メリット1/予備知識がなくても始められる
・メリット2/管理する手間がない
・メリット3/1万円単位の少額から始められる
・メリット4/元本の保全性が高い
・メリット5/運用利回りが高く安定している
株式は日々値動きがあるので、細かくチェックしなければなりませんし、元本を下回る可能性もあります。運用利回りや必要な資金は銘柄に大きく左右されます。
その点、クラウドファンディングの運用年利回りは平均で5~7%と安定しているため、現在の市場では大変魅力的な商品です。元本の保証性も高いことから、貸付型クラウドファンディングは投資未経験者には最適な金融商品といえるのです。
── “資産運用”という文字を見ただけで、「自分には関係ない」と思っている人はもういませんよね?
いまや自分の財産は自分で守り、増やしていく時代です。タンス預金ではもちろん、銀行に預けていても利息はほとんどゼロに近い額にしかなりません。
IT世代に育まれた「クラウドファンディング」を、ぜひ積極的に利用してみてはいかがでしょう。クラウドファンディングには不動産を担保にしたものや太陽光発電の開発プロジェクトなど、多くの種類があり、その選択肢は日々増え続けています。通常の金融市場で個人が融資や投資を行うことには無理がありますが、ネットを通すことで自分が共感できる企業やプロジェクトへの投資を行うなど、一般的に参加できないような好条件の投資が可能になります。
誰でも簡単に、ほんの少しの額から始められる資産運用として、貸付型クラウドファンディングはさらにその世界を広げていくことが期待されています。
≪記事作成ライター:山本義彦≫
東京在住。航空会社を定年退職後、介護福祉士の資格を取得。現在は社会福祉法人にて障がい者支援の仕事に携わる。28年に及ぶクラシック音楽の評論活動に加え、近年は社会問題に関する執筆も行う。
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