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クラウドファンディングやソーシャルレンディングという言葉を聞いたことがありますか?提案者のアイデアに賛同する方たちが、ネットを通じて少額の出資を行い、アイデアの実現を応援するという仕組みです。
この仕組みを不動産投資のスキームに仕上げたタテルファンディングについて調べてみました。

タテルファンディングとは

不動産投資の仕組みとしてクラウドファンディングというスキームを用いて少額から不動産投資が可能となる投資方法の概要を見てみましょう。

タテルファンディングのサービスの概要

クラウドファンディングの仕組みを利用して賃貸住宅(アパート)に投資するスキームをタテルファンディングと呼んでいます。このスキームは、投資物件に対する投資者は匿名組合となり、投資者(読者の皆さんです)の方は、タテルファンディングの運用会社と匿名組合契約を締結します。

出資者と運営会社は、匿名組合契約を結びますが、このスキームの特徴として出資者は優先出資者となり運営会社が劣後出資者となることです。運営会社以外の出資者は優先出資者なので投資による利益が生じると契約で定めた料率まで優先的に利益の分配が受けられます。

運営会社が劣後出資となりますので、ある程度の損失分は運営会社が負担することになりますので、優先出資者である読者の皆さんは、いうなればローリスク・ミドルリターンとなり、劣後出資者の運営会社はハイリスク・ミドルターンとなります。

タテルファンディングの信頼性を示す情報

2017年7月31日現在で、5棟の賃貸物件が運営されており、既に1棟は運営が終了し、1棟が準備中です。その実績を表1に示します。運用期間は3ヵ月から1年となっています。

表1 タテルファンディングの実績(2017年7月31日現在)

区分 投資実績 予定運用利回り(年利) 実績利回り(年利)
運用終了 1棟 5% 5%
運用中 5棟 5%
運用準備 1棟 3%
出資総額 1,462.22(百万円)
分配金総額 3.9(百万円)

運用が終了した物件は、予定運用利率と同率の配当が行なわれていますが、新規募集分の予定配当率が従来の5%⇒3%と低下しましたが、定期預貯金や国債の利率と比較すると高利率です。

タテルファンディングの運営会社

賃貸不動産への投資をクラウドファンディングで手掛けるタテルファンディングの運営会社は、株式会社インベスターズクラウド(注1)と言います。クラウドファンディングを手掛けるに相応しい社名です。運営会社である株式会社インベスターズクラウドの概要を表2に示します。

表2 株式会社インベスターズクラウドの概要(注1、注2、注3)

項目 内容 備考
社名 株式会社インベスターズクラウド
本社所在地 〒107-0062 東京都港区南青山2-27-25-7F
電話 03-6447-0651
代表者 代表取締役 古木 大咲
設立 2006年1月23日
資本金 6億192万円
売上 37,915(百万円) 2016年12月期
営業利益 3,806(百万円) 2016年12月期
自己資本比率 55.5% 2016年12月期
総資産利益率(ROA) 21.7% 2016年12月期
自己資本利益率(ROE) 39.0% 2016年12月期
建設業許可番号 国土交通大臣許可(般-26)第23374号
宅建業免許番号 国土交通大臣(2)第7533号
不動産特定共同事業許可番号 東京都知事 第100号

株式会社インベスターズクラウドは東証1部上場企業で、“ネット×リアルで新しいサービスを”という経営理念の下に賃貸不動産投資のワンストップサービスを特色としたマッチングサイトを主力事業としています。

また、新規の事業として今回の話題であるタテルファンディングという不動産投資型のクラウドファンディングを展開しています。

株式会社インベスターズクラウドは、設立10年で上場企業となった会社ですので成長力は具備されています。また、表2に示してあるように安定性(自己資本比率)や収益性(ROE)に優れた企業です。

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タテルファンディングの仕組み

一般的なクラウドファンディングのスキームと対比してタテルファンディングの仕組みの特徴を概説します。

一般的なクラウドファンディングの仕組み

企画案を持っている方がインターネットを通じて、広く企画に賛同して出資してくれる方を募集することをクラウドファンディングやソーシャルレンディングと言います。ここで、企画の立案者で実際に実行する方を営業者、企画に賛同して出資する方を出資者です。更に営業者と出資者を取り持つ機能を有する組織をプラットフォームと呼ばれています。

プラットフォームの機能は、営業者の企画力や信用力の審査と出資者を集める営業力です。また、出資者をまとめて営業者に投資する匿名投資組合を組織します。この仕組みの中で直接プラットフォームが出資することはありませんし、営業者を兼ねることも稀です。

タテルファンディングの特徴

前述のようにタテルファンディングは、運営会社であるインベスターズクラウドが賃貸物件の企画を行い、この企画に対して出資を募りますので、プラットフォーム兼営業者というスタンスです。更に出資の形態も利益の分配に関して出資者を優先出資、当社を劣後出資とすることで出資者のリスク低減を図ります。

お金の流れ(スキーム)

タテルファンディングというスキームでのお金の流れを見てみましょう。インベスターズクラウド社が企画(設計・施工も同社が手掛けます)する賃貸物件に対して当社が営業者兼プラットフォームとして出資者を募集します。その際に、当社も出資者の一員となります。

出資者は、営業者である当社と不動産特定共同事業法に基づく匿名組合の契約を締結し投資資金を匿名組合に出資します。また、同社も同時に出資しますが、同社は収益の分配に関して劣後出資、同社以外の出資者は優先出資となります。

分配金の仕組み

営業者(この場合は同社)は集められた資金で営業者名義にて運用資産を取得し、賃貸物件の営業で家賃収入を得ます。運用期間が終了を迎えると利益を出資者に分配します。利益分配の際に、予定運用利回りが物件ごとに設定されていますが、収益の中から予定運用利回りを満たす利益額を優先出資者に分配し、残りがあれば当社が分配を受けます。

最低投資金額・運用手数料・運用期間

タテルファンディングは一口価格10,000円で運用や解約の手数料は無料となっています。最低購入価格や種々の手数料が不要な点が利用しやすいスキームです。また、運用期間ですが、ファンドの実績では、3ヵ月から1年となっています。

タテルファンディングのメリット

本スキームの特徴は、インベスターズクラウド社以外の出資者は利益分配に際して優先出資者となり安全性が高いことです。また、営業者の購入物件の評価法も収益還元法という収益ベースでの評価法を採用していることから元本部分の評価減のリスクも低くなります。

また、前節で述べたように各種の手数料が不要です。解約や譲渡に伴う手数料が不要というのは利用しやすいスキームです。

タテルファンディングのデメリット

この記事の執筆時点(2017年8月上旬)で、表1に示すように7棟の実績がありますが、出資の当選の倍率は高い状態です。応募すれば投資できるという状況ではありませんので、大きなデメリットとなります。

また、その他のクラウドファンディングと比較すると低利回りです。その分安全性に配慮しているためです。ローリスク・ハイリターンは成立しないということです。

出資者となるためには、WEB上での登録が必要となりますので、最初は敷居が高く感じます。ですが、登録してみると実際に出資者にならないのであれば特に何もありません。

タテルファンディングのその他の特徴

ファンドの実績は、運用終了を含めて7本ありますが、全て投資の対象は賃貸物件でアパートという形態なので、小型物件というイメージです。また、地域的には特に偏りは見られません。

インベスターズクラウド社自体が不動産投資のマッチングをメインの事業としているのでこの事業との親和性を考慮したようです。

クラウドファンディングはインターネットを前提としたスキームですので、出資の応募や投資状況の情報をWEB上で一元管理されています。

タテルファンディングのリスク低減施

一般的なクラウドファンディングを利用して不動産投資を行う場合のリスクは元本の安全性です。不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンの投資といわれていますが、タテルファンディングは、クラウドファンディングの仕組みに独自の企画を組込んで一般投資家のリスクを低減させたスキームです。一般投資家の出資分を優先出資とし、インベスターズクラウド社が劣後出資することで、一般投資家に対してある程度のリスクヘッジを提供しています。

また、同様に元本に相当する賃貸不動産の評価法も収益還元法を用いていますので、賃料ベースの大幅な下落がなければ安定した元本が確保されています。
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タテルファンディング、 サービス利用開始までの流れ

タテルファンディングの利用に関する手続を表3に示します。手続の大部分はWEB上で行われますが、法的に重要な手続(重要事項の説明や契約書面への捺印など)は書面にて行なわれます。

表3 タテルファンディングのサービス利用開始までの流れ

ステップ 手続 内容 アクション 応答
1 会員登録 所定の事項を入力 WEB上で実施 ID・パスワードの発行
2 会員ページログイン ID・パスワード使用
3 出資者情報の登録 所定の事項を入力 出資者情報登録
4 出資応募 希望案件の口数入力 応募確認をクリック
5 出資確定の連絡 メールにて確定の連絡 契約成立前書面・説明DVD・契約書の郵送
6 契約成立前書面の確認 書面の内容確認
7 捺印 契約成立前書面及び契約書に捺印 書面を返送
8 入金手続 出資金の振込み
9 入金確認 会員ページの「取引履歴」で入金確認
10 運用開始 会員ページの「収益明細」で確認
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不動産投資でクラウドファンディングを行うタテルファンディングとはのまとめ

インベスターズクラウド社が展開するクラウドファンディングは、不動産特定共同事業法に基づく仕組みで賃貸物件に投資するスキームです。一般的に不動産はミドルリスク・ミドルリターンと考えられていますが、このファンドは安全性を重視してローリスク・ミドルリターンを目指した仕組みです。また、各種の手数料も不要という特徴があります。

引用:
注1)株式会社インベスターズクラウドHP
注2)株式会社インベスターズクラウドHP 決算短信
注3)株式会社インベスターズクラウドHP 有価証券報告書

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