投資にはリスクがつきものであると言うことは皆さんご存知かと思いますが、リスクとはそもそもどういうものなのかはきちんと把握していますか?これを正しく把握していないと、最も稼ぎやすい金融商品を選ぶことができません。リスクという言葉の理解に不安がある方は、ご自身の利益のためにもどうか読み進めて下さい。
リスクとは不確実性のこと
リスクを「損する可能性」のことと考えていらっしゃる方は少なくないかと思いますが、その理解は正しくありません。リスクとは損する可能性のことではなく、「将来の利益や損失が確定していない状態=不確実性、もしくはその度合い」のことをいいます。
例えば、株式投資の平均利回りは約7%と言われています。一方、定期預金の利回りは金融機関によって異なりますが、平均で0.1%ぐらいです。これだけ見れば、株式投資のほうが定期預金よりも有利な投資に見えます。
しかし、株式投資をして平均利回りの7%が得られる保証はありません。もしかしたら20%の利回りが出るかもしれませんし、逆に10%の損失が出るかもしれません。つまりは不確実性、リスクが有るわけです。
一方、定期預金は預け入れた段階で利回りが確定するので、リスクはありません(厳密に言えば金融機関が倒産した場合に元本が返ってこない可能性があるため完全にリスクがないとはいえないのですが、ここでは無視します)。
つまり株式投資は平均利回りが高い代わりにそこから外れた成果が出る可能性も高く、定期預金は平均利回りが低い代わりにそこから外れた成果は原則出ません。
ちなみに、債券の平均利回りは3%程度です。つまり、リターンは株式投資と定期預金の間にあるわけです。
また、債券には債券価格の下落や発行元の倒産といった危険性があるものの、償還期間まで持ち続けられれば元本は保証されます。そういった意味ではリスクも株式投資と定期預金の中心にあるといえます。
まとめると、相対的に株式投資はハイリスクハイリターン、定期預金はローリスクローリターン、債券投資はミドルリスクミドルリターンであるといえます。
基本的にリスクとリターンは比例する
さて、ここまで見てきてお気づきの方も多いかと思いますが、基本的にリスクとリターンは比例します。平均利回りが大きいほど不確実性が高い、というわけですね。
これはある種当たり前の話で、例えばローリスクハイリターンな投資が合ったら、みんなそっちに飛びつくはずですが、今のところそのような投資はありません。一方、ハイリスクローリターンな投資はそもそも誰もやりたがらないので、仮に存在したとしても無視されて終わるはずです。
しかし、全ての投資のリスクとリターンの比率が常に一定なのかというと、必ずしもそうとはいえません。比較的リスクに対してリターンが高い投資もあれば、リスクの割にリターンが少ない投資もあります。当然、狙うべきは前者です。では、どうすれば比較的リスクが少なく、リターンが高い投資を見つけられるのでしょうか。
シャープレシオで投資効率がわかる
シャープ・レシオ とは
リスク(標準偏差)1単位当たりの超過リターン(リスクゼロでも得られるリターンを上回った超過収益)を測るもので、この数値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと(効率よく収益が得られたこと)を意味します。引用:SMBC日興証券
シャープレシオ=(平均利回り-無リスク資産利回り)/標準偏差
この式の分子はリターン、下はリスクを表しています。この数値が大きいほど、リターンが大きくリスクが少ない、つまりは相対的に有利な投資ということになります。
なお、無リスク資産とは全くリスクがない資産の利回りで、通常は国債の利回りが当てられることが多いです。実際には国債にもリスクが有るのですが、そのリスクは非常に小さいものなので無視していいことに鳴っています。
一方、標準偏差とは簡単に言えばばらつきの大きさを示す数値です。平均利回りから大きくずれた結果が出やすい投資ほど、標準偏差が大きくなります。
具体的なシャープレシオの計算方法
上記の式を使って、シャープレシオを求めてみたいと思います。
金融商品A:平均利回り16%、標準偏差10%
金融商品B:平均利回り6%、標準偏差3%
無リスク資産利回り(国債利回り):1%
この場合、金融商品Aと金融商品Bではどちらのシャープレシオが大きくなるでしょうか。
実際に計算してみましょう。
金融商品Aのシャープレシオ=(16-1)÷10=1.5
金融商品Bのシャープレシオ=(6-1)÷3=1.666……
したがって、金融商品Bのシャープレシオが高い、つまりリターンがリスクに対して大きい優れた金融商品であるといえます。証券会社は各ファンドのシャープ・レシオを公開しているので、投資の際の参考にしていただければと思います。
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