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2008年9月に起こったリーマン・ショックから8年が過ぎた。欧州の債務問題や中国の景気減速懸念などの問題を抱えながらも、米国株は史上最高値を更新、日本株も大きく回復し世界の市場環境は大きく回復してきた。

こうした中、日本では、NISA(少額投資非課税制度)やジュニアNISAの導入や、来年には改正された確定拠出年金(DC)法が施行予定となるなど、預金偏重と言われている日本にとって、投資はより身近なものとなってきている。投資が身近になる中、手段の一つとして株式投資を初めてみようと考える人もいるだろう。そこで、ここでは「株式投資で損をする初心者がやりがちな5の間違い」をまとめてみた。

間違い1:いきなり大きい金額で始める

投資で稼いだ利益はある意味で不労所得と言える。会社で長い時間働いてやっと得られる給料に比べて、パソコンで数クリックしただけで得られることもできるからだ。さっさと大儲けして楽をしたいと思いがちなのが人の性。周りの成功談や華やかな生活を想像し、早く大儲けしたい一心でいきなり投資金額のほとんどをつぎ込んだりすれば、相場から手ひどいしっぺ返しを受けてしまうだろう。万が一相場が急落し、あっという間に大きな損失を抱えてしまえば再起不能になってしまう。また、投資資金が余裕資金だけでなく、生活資金や将来のための貯蓄までもつぎ込んでいるのは問題外だ。

プロと呼ばれる人でさえ、どれだけ自分の腕に自信があっても、一極集中の運用や、一回の取引でフルインベストメント(投資資金全額を投資している状態)にする人は少ない。投資でしっかりと利益を出し、長く生き残ろうと思うなら、最初は慎重に始めるのが賢明だ。投資するタイミングをずらす、少額でチャレンジするなど、成果を急がず、まずはお金より経験を稼ぐ心づもりで取り組みたいものだ。

間違い2:情報をよく吟味せずに飛びつく

ニュースで話題になっているからといって、情報をよく吟味せず、すぐ売買するのもよくある失敗のパターンだ。

例えば、提供している製品が人気になっているのに株価が下落基調を続けている企業があるとしよう。まだ株価が反応していないからと思い、そのニュースに反応し、飛びついて買ったものの、株価はむしろ下落基調が継続。その後、その企業の製品は会社の利益のほんの僅かしか占めていなかったり、コストが高く利益率が極めて低いものだったことが分かったりしたら、あまりに軽率な判断だったと後悔するだろう。

投資の分析では多面的な分析が不可欠だ。たった一つの情報で判断せず、様々な情報をよく吟味してから投資判断を下すべきだろう。

間違い3:損切りが遅い、利益確定が早い

人間は心理的に同じ度合いの損と得ならば、損の方がより多くの苦痛を感じると言われている。プロスペクト理論と呼ばれるものだ。当然、感情のコントロールができずに投資をしていれば、損切りの場合はためらってなかなかできず、利益確定の時は損を恐れて早めにしてしまうのは想像に難くないだろう。だからこそ反対の行動がとれるよう意識したいものだ。

利益確定が早いことは、投資資金を失うわけではないためまだ良いが(もちろん、より多くの利益を得るチャンスを逃したというコストである)、損切りが遅れてしまうのは致命傷となりかねないため、ためらわずに損切りできるよう訓練が必要だ。まずは、自分がどれだけの損失ならば許容できるのかを把握した上で、株価が損切りの水準にタッチしたら躊躇せず淡々と損切りすることで、損失への恐怖を少しずつ克服していけるだろう。

証券会社によっては、「逆指値注文」がある。これを利用すれば、一定の価格水準に達したら自動的に損切りすることができる。流動性が低い銘柄の逆指値注文はスリッページ(想定した価格から離れた価格で約定してしまうこと)が大きくなるため要注意だが、損切りしっかり行うための有効な手段の一つだ。

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間違い4:中途半端な理解のまま株価指標を使う

「生兵法は大怪我の元」という言葉があるが、それがまさにこれだ。PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などに代表される株価指標にはそれぞれ長所・短所があり、上手く機能する時とそうでない時がある。それを十分理解した上で使いこなしたいものだ。

例えば、今期のPER(株価収益率)が高いからこの銘柄は割高だと判断して買わないというのは短絡的だ。その企業が展開する事業の収益率が高く、同業他社のPERもおおむね同じ水準ならば、決して割高と判断はできないだろう。業種やその相場環境によって割高・割安と判断される水準も異なるのだから、表面的な数値だけを見て投資判断の根拠とするのは大怪我の元である。

もちろん、自身の勘に頼って根拠のない投資を続けるより、物差しを持っていた方が有益であることは間違いないだろう。しかし、万能のツールはないことを十分理解した上で活用していきたい。

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間違い5:市場全体の動向に気を配らない

個別の銘柄をよく調べることも重要だが、相場全体の動きを見ていなければ、大きな流れに気づかず、対応が遅れてしまうこともありうる。日本株ならTOPIX(東証株価指数)や日経平均株価などのインデックス、米国株ならS&P500やNYダウなど、市場全体の値動きもしっかりとチェックしよう。また、米ドルなどの為替相場や原油・金といったコモディティ(商品)相場の動向も押さえておければなお良いだろう。

2008年に起こったリーマン・ショックのように、リスク資産への投資を控える動きが世界中に広がれば、株、社債、コモディティといった資産そのものが、大きく売り込まれることがある。こういった局面ではどれだけ割安な銘柄であっても割高な銘柄であっても一斉に売られてしまう。市場の先行きを正確に予測することは不可能だが、市場全体の動きをチェックしておくことで、全体の流れを掴みつつ投資に臨むことができるだろう。

以上が株式投資で損をする初心者がやりがちな5つの間違いだ。中には初心者だけでなく、どんな投資家でも陥ってしまいがちなパターンもあるため、慣れてきたところでこれらの間違いをどれだけ回避できているか、もう一度チェックしてみるとよいだろう。

株式投資は一流と呼ばれるプロですらも間違い、退場を余儀なくされることがある厳しい世界ではあるが、研究を怠らず、また焦らずじっくりと取り組んでいけば成果をあげることもできる。個人投資家はプロと違い、短期間での成果を求められないため、じっくり時間をかけて取り組むことができるのがアドバンテージと言える。成功と失敗を繰り返しながら、最終的には利益を出して終えることができるよう取り組んでいきたいものだ。

 

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