日本国内でも圧倒的に人口密度が高い街、東京23区。裕福な人が多いイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、実は23区内には大きな所得格差があります。平均年収が1000万円を超えているような区もあれば、300万を超える程度の稼ぎしか無い区もあります。それでは23区の年収ランキング、トップ3とワースト3を見ていきましょう(データは2015年時点のものです)。

23区の年収ランキングトップ3

1位:港区(1023万円)

2位の千代田区を180万円以上引き離してトップに経ったのはやはりというべきか港区。六本木、赤坂、品川駅周辺、お台場と言った東京を代表する地域をごっそり抱えており、また麻布や白金、青山など富裕層が多数集う住宅街も平均年収の底上げに大きく貢献しています。数少ない下町も最近は次々と高層マンションに建て替えられており、平均年収日本1位の区にふさわしいといえるでしょう。

2位:千代田区(848万円)

ど真ん中に皇居があり、その周辺には大企業の本社や官公庁が集中している、まさにエリートが集う街です。昼間人口が夜間人口の18倍もある「働くための街」であり、住んでいるのは公務員宿舎や丸の内などに住むエリートが中心です。彼らが平均年収を大きく底上げしたことは言うまでもないでしょう。

3位:渋谷区(736万円)

若者の街、というイメージが強い渋谷区ですが、実は日本の中でも有数のビジネス街でもあります。中でも代々木周辺には東日本旅客鉄道(JR東日本)を筆頭に大企業の本社が集中しており、平均年収を底上げする原因となっています。渋谷駅からは離れている広尾や恵比寿と言ったいわゆる大人の街も渋谷区内にあります。

23区の年収ランキングワースト3

21位:北区(355万円)

ほとんど埼玉県、というイメージが強い北区。区の中心である赤羽駅から川口駅までは電車でわずか2分ということもあり、区内には23区では殆ど見られない自然が比較的多く残されています。山手線の外にあるゆえに家賃相場が低く、川崎や千葉県北西部などを下回っているところも少なくありません。それ故にあまりお金のない層が集まりやすく、平均年収が下がっているものと思われます。

22位:葛飾区(338万円)

先日連載が終了した「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の舞台としてもおなじみの葛飾区。最近はだいぶ開発が進んできましたが、まだまだ劇中に登場するような風情あふれる下町も残っています。千代田区や港区では見られない歴史ある飲食店なども数多く立ち並んでいますが、都心と比べるとやや不便な交通事情などから家賃相場は低めで、それが平均年収を押し下げているようです。

23位:足立区(334万円)

治安の悪いイメージが強い足立区ですが、それは過去の話です。現在の足立区の犯罪発生率は23区中10位とほぼ中央に位置しており、際立って危険なくとはいえません。最近は千住一兆名の再開発などでだいぶ町並みも綺麗になっており、以前とはだいぶ違う雰囲気になっています。それでも他の地域とのポテンシャルさは大きく、23区中最下位に甘んじてしまいました。

足立区民は貧しくない

これまでのデータを見ると稼いでいるのはいいところに住んでいる人ばかりで、下町の人間は低年収に苦しめられている……というイメージをお持ちになったかもしれませんが、それは誤解です。足立区民の平均年収は全国1741市区町村中、168位です。

つまり、市区町村別に見れば上位10%に入っているわけです。足立区民の年収が低いわけではなく、港区民が際立って高いのです。最も、地方と23区では生活コストがぜんぜん違うので、年収だけで比較するのは乱暴かもしれませんが……。

なお、全国の市区町村で見た場合、港区、千代田区に次いで平均年収が高いのは北海道の猿払村です(784万円)。そんな村は聞いたこともない、と思われるかもしれませんが、実はここ、日本有数のホタテの水揚げ地なんです。かつてはホタテの乱獲で資源が枯渇して日本有数の貧しい村でしたが、イチかバチかでホタテの稚貝1400万個を放流させたところこれが大成功。瞬く間に金持ち村になりました。

一方、日本全国で年収が最も少ないのは熊本県の玉磨村です(198万円)。200万円を割っているのは玉磨村と沖縄県本部町(199万円)の2つのみです。これ以外にも際立った産業のない町村の殆どはランキング下位に沈んでいます。猿払村のような成功した過疎地域はほんの一握りにすぎず、殆どの過疎地域が低年収に喘いでいることは間違いないようです。

地方で仕事が得られないからと人々が東京に集まるのも納得ですね。東京一極集中を緩和したいのならば、地方に仕事を作る以外に道はなさそうです。

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