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テレビでたまに目にする「GDP」という指標。なんとなく少ないよりは多いほうが良いということはわかっていても、それ以上のことはよくわからない……という方も少なくないのではないでしょうか。我々の生活にも実は密接な関係があるGDPを、なるべくわかり易く解説いたします。

GDPは「国内で生まれた付加価値の合計」

GDPを一言で簡単に表せば「国内で生まれた付加価値の合計」です。付加価値とは、あるものの価値と、それを生み出すもととなったものの価値の差です。例えば、あるりんごジューズの製造会社がりんごを10円で仕入れ、ジュースに加工して40円で小売業者に売ったとします。この場合、りんごジュースの製造会社が生み出した付加価値は40円-10円=30円となります。

また、この小売業者が消費者に90円でリンゴジュースを売った場合、小売業者の生み出した付加価値は90円-40円=50円ということになります。このような国内で生産された付加価値をどんどん積み上げ、合計したものがGDPです。

ところで、りんごジューズの製造会社が生み出した付加価値の30円は、りんごジュースの製造会社の所得と一致します。同じく、小売業者が生み出した付加価値の40円は、小売業者の所得と一致します。つまり、生産と所得は常に一致するわけです。多くの付加価値を生み出した企業や個人ほど、それだけ所得も高くなるわけです。

GDPが増加したということは、それだけ多くの付加価値が生産された(市場に多くの財やサービスが提供された)ということであり、人々の所得の合計が増えたということです。つまり、GDPが増えるのは国にとっては基本的に望ましいことなわけです。

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GDPには名目GDPと実質GDPがある

しかし、GDPが増えたからと言って、必ずしも我々の生活が豊かになるのかというと、そうとも限りません。

GDPには名目GDPと実質GDPがあります。名目GDPとは物価の上昇率を無視したGDPで、実質GDPは物価の上昇率を考慮したGDPです。通常、GDPと書かれているときは名目GDPのことを指します。

主要3か国の名目GDPの推移(2006~2015年)

主要3か国のGDP(2006~2015年)

例えば、ある国の去年の名目GDPが100兆円で、今年の名目GDPが110兆円だったとします。この場合、単純に考えれば、今年のGDP成長率は(110兆円-100兆円)÷100兆円=10%ということになります。これが名目GDP成長率です。

しかし、仮に今年は去年と比べて物価が5%上がっていたとしたらどうなるでしょうか。今年の買い物の合計は110兆円ですが、去年は物価が5%今よりも安かったので、この買物を去年していたとしたら、その合計金額は110兆円×((100)÷105)=104.5兆円となるはずです。つまり、物価が変動していなかったと仮定した場合の今年の合計買物金額=実質GDPは104.5兆円となり、実質GDP成長率は4.5%となるわけです。

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実質GDPが増えても豊かさを実感できないわけ

実質GDPは長期的に見れば増加傾向にあります。ここ25年の日本の平均実質GDP成長率は0.9%で、昔と比べると低成長とは言え、成長を果たしていることは間違いありません。昔と比べて、国内で生産された財やサービスの合計量、あるいは人々の実質所得の合計は増えているのです。にも関わらず、我々の生活は一向に良くなっている気がしない、というも少なからずいらっしゃるはずです。一体なぜでしょうか。

一つ目の可能性としては、富の偏在が考えられます。実質GDPはあくまでも一国の合計の財やサービスの合計量、もしくは所得の合計量を表す数値であり、個々人の豊かさについては考慮されていません。富の偏在が進めば、実質GDPが増えても豊かさを実感できない人は増えるはずです。

二つ目の可能性としては、実際には豊かになっているにも関わらず、それに気づいていない、ということが考えられます。ちょっと冷静になって考えてみれば、昔の日本人と今の日本人ではどちらのほうがいい暮らしをしているかは一目瞭然です。今の日本人の方が絶対的な生活水準だけ見れば、明らかに上です。昔は車もエアコンも高級品でしたし、スマホもパソコンもゲーム機もありませんでした。

医療体制も貧弱で今なら簡単に治る病気で命を落とす人も少なくなかったですし、労働環境も(今が恵まれているかどうかはともかく)昔よりは多少マシになっています。

しかし、我々は当たり前なったことに関しては感謝を忘れがちです。エアコンが高級品でめったに手に入らないものである世界においては、エアコンはなくて当然、あればラッキーと考えます。

しかし、エアコンが誰の手にも届くようになった世界において、エアコンはあって当然、無いと不幸だと考えるようになります。

富の偏在が進んでいるというのは事実ですが、だからといってお金持ちと比較して嘆いたり、妬んだりしても何か生活が変わるわけではありません。それよりも自身の所得を増やすためには何が出来るかを考えたほうが、生活水準はより高くなるはずです。

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金融・ 経済関連の記事をメインとしたフリーライターをしています。様々なジャンルの本を読み漁っていますので、 自分の記事が投資家の皆さんの利益となるように情報発信に努めていきます。