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最近テレビで何かと取り上げられることが多い配偶者控除。政府・与党は早ければ2017年1月にも配偶者控除を廃止する予定でしたが、2016年10月12日に一転して廃止を見送ることを決定しました。とりあえず来年度いっぱいまで、制度は継続することが確定しました。

ところで、みなさんは配偶者控除がどのような制度かきちんと把握されていますか?知らないまま漫然と働いていると、払わなくても良い税金を余分に取られてしまい、手取りが減ってしまう可能性があります。損をしたくないという方は、配偶者控除について一緒に学んでいきましょう。

配偶者控除は配偶者のいる人の所得税を安くする制度

所得税や住民税は通常、1月から12月までの所得を合算して、それに税率をかけて計算しますが、年間の医療費が高額だったり、扶養家族がいたりする場合は所得税が安くなります。このような仕組みを控除と言います。

控除の中でも、配偶者(結婚相手)がいる人の所得税を安くする仕組みを配偶者控除と言います。配偶者控除を受けると、自身の所得から38万円が控除され、その分だけ所得税が安くなります。

「年収103万の壁」の誤解

配偶者控除は配偶者の「年収が103万円以下」ならば受けられる、とよく言われますが、これは不正確です。正確に言えば、配偶者の「所得が38万円以下の場合のみ、配偶者控除を受けられます。一体なぜこのような不正確な情報が出回ってしまったのでしょうか。

パートによる収入は通常、給与所得に区分されます。給与所得は給与所得控除(65万円)を受けられるため、仮に収入が103万円なら、所得は38万円となり、パート以外に収入がないならば配偶者控除の要件をちょうど満たします。

つまり、年収103万円という指標は、「稼ぎがある配偶者の殆どは給与所得を得ている」という前提をもとに作られたものなのです。配偶者がパートしかしていない場合は年収103万円を基準にしても問題ありませんが、その他の方法(自営業や年金など)で所得を得ている場合は要注意です。

なぜ政府は配偶者控除の廃止を目指したのか?

仮に妻がパートで年収103万円以上(合計所得38万円以上)を稼いでしまうと、夫が配偶者控除を受けられなくなるため、夫の所得税が高くなってしまいます。そのため、多くの家庭では、妻の年収が103万円以下になるように調節しています。これでは、優秀な女性が十分に活躍することができません。

そこで政府は配偶者控除を廃止し、代わりに夫婦控除という制度を設けようと考えました。これは妻の稼ぎにかかわらず一定額を控除する仕組みです。この制度ならば、年収の調整は必要なくなり、共働きの夫婦は得をする可能性が高いです。一方で専業主婦がいる場合、控除額は今よりも少なくなる可能性が高いため、専業主婦と会社員の夫、と言う家庭は損をする可能性が高いです。

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106万円の壁

夫婦控除には問題点があります。妻の年収が一定額に満たなかった場合、妻は夫の被扶養者となることができます。被扶養者になれば、自己負担は0で健康保険に加入できます。しかし、年収が106万円を超えてしまうと、自分で社会保険に加入しなければならなくなります。

仮に年収が110万円ならば年間で約16万円も社会保険料が取られてしまい、手取りは94万円になってしまいます。一方、年収105万円の人は社会保険料を払わないでいいので手取りは105万円のままです。106万円の壁のせいで逆転現象が起こってしまうわけです。こちらの問題を解決せず、ただ夫婦控除だけを導入しても色々と問題が起こることは目に見えています。

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配偶者控除廃止見送りの理由

さて、前述の通り、政府・与党は配偶者控除の廃止を見送りました。理由は政府内部の人間にしかわかりませんが、専業主夫世帯からの反発が思った以上に強かったのかもしれません。政府は今後、年収103万円の壁を年収150万円、あるいは170万円程度まで引き上げる案が出てきています。

仮にそうなった場合、今まで年収を103万円以下に抑えてきた方は、もう少し仕事を多くしても配偶者控除が受けられます。これからはパートに入る時間をもう少し増やしても良いのかもしれません。

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金融・ 経済関連の記事をメインとしたフリーライターをしています。様々なジャンルの本を読み漁っていますので、 自分の記事が投資家の皆さんの利益となるように情報発信に努めていきます。