投資をする上で大切になるのが、利益や損失を確定させるタイミングです。これがうまくできれば投資で大失敗することはそうそうありませんが、実際には利益や損失を確定させるタイミングを間違えたばかりに、利益を逃し損失は膨らませてしまう投資家があとを絶ちません。一体なぜでしょうか。

利小損大は人間の性

近年、行動経済学という学問が注目を集めています。これは人間の経済活動を、主に心理面からアプローチしていくものです。行動経済学によれば、人間は利得が発生している局面では危険を回避したがり、損失が発生している局面では危険を愛好する癖があることがわかっています。

例えば、「50%の確率で1000円当たるが、50%の確率で何ももらえないくじ」と、「確実に500円もらえるくじ」があった場合、みなさんはどちらを引きますか?期待値的にはどちらも500円で同じなのですが、この場合は殆どの人が「確実に500円もらえるくじ」を選びます。利得が発生している局面においては、人は大きな利益よりも確実な利益を好むのです。

逆に、「50%の確率で1000円失うが、50%の確率で何も失わないくじ」と、「確実に500円失うくじ」では、殆どの人が「500%の確率で1000円失うが、50%の確率で何も失わないくじ」を選びます。損失が発生している局面においては、人は損失の確定を避けることを好むのです。

このような性質がある以上、何も考えずに投資を行えば利益はすぐに確定させるので小さくなってしまい、損失はすぐに確定させないので大きくなってしまう、いわゆる「利小損大」になってしまうのは極めて当然のことといえます。これでは勝てるものも勝てなくなってしまいます。このような心理を持つ人間が、投資の場で勝つには一体どうすればいいのでしょうか。

利益と損失確定のルールを作ろう

利小損大を防ぐために有効な手段として、機械的にしか取引をしない、という方法が考えられます。例えば、7%利益が発生したらその後のことは考えずにすぐに売り、7%損失が発生したらやはりその後のことは考えずにすぐに売る、というものです。例えば、1000円で買った株が1070円、あるいは930円になったら何が何でも売却する、というものです。感情・私情は一切挟まず、全てを機械的に判断するのです。今後さらに高騰しそうであるとか言ったことは一切考えません。

この手法の優れたところは、大損をしないことです。投資の世界において長く生き残り、資産を築いていく一番のコツは、とにかく大損をしないことです。今まで成功した投資家は小さな失敗は山ほどしていても、大きな失敗はしていません。要するに損切りが早くてうまいのです。失敗した投資家はそれができずに、ズルズルと含み損を増やして市場から退場していきます。

ただし、この手法には強靭な精神力が必要になります。利益を確定させたあとで更に高騰したり、あるいは損失を確定したあとで反転したりすれば、少なからず精神にダメージを追うことでしょう。

しかし、投資の世界では1回1回の勝負は大した意味を持ちません。大切なのはトータルで勝てているかどうかです。成功した投資家だって、常に底値で掴んで天井で売れているわけではありません。小さなミスを気にしない精神力は、成功の必須条件と言えます。

何%価格が変化したら売るべきか

これについてはいろいろな意見がありますが、株価というのは短期的には予測不可能な動きをするとされています。つまり、その会社の業績がどうとか、株価が割安であるとか、そういうことに関係なく上がったり下がったりするのです。この上げ下げの幅は大体±5%程度とされています。この程度の変化は変化のうちに入らない、と考えるべきです。

多くの投資家は、大体7~10%程度に収めていることが多いようです。また、プラスは10%、マイナスは8%と言った感じで差をつけている投資家もいます。このあたりは実際に投資をしながら感覚を掴んでいくしかありませんが、マイナス10%以上に設定するのはかなりリスクが大きくなるので避けたほうがいいでしょう。

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金融・ 経済関連の記事をメインとしたフリーライターをしています。様々なジャンルの本を読み漁っていますので、 自分の記事が投資家の皆さんの利益となるように情報発信に努めていきます。