近代以降の社会において、政治イデオロギー(観念)は経済とも密接に結びついている重要な要素です。先日の記事では共産主義と社会主義について触れましたが、もちろん他にも様々な種類のイデオロギーが存在しています。
今回はその中でも特に有名なイデオロギーを幾つか紹介したいと思います。
マルクス主義
共産主義の父とも言えるカール・マルクスの思想をベースとして作られた社会主義思想の一つです。革命によって資本主義社会を打倒し、社会主義社会を経て、共産主義社会を実現することを目的としています。
レーニン主義
ロシアの革命家であるウラジーミル・レーニンの思想を引き継いで作られた社会主義思想の一つです。基本的な思想はマルクス主義とほぼ同様ですが、一国ではなく世界の全てで共産主義社会を設立することを目的としています。
主体思想
北朝鮮、及び朝鮮労働党の政治思想です。金日成がレーニン主義を北朝鮮という国家の現実に当てはめて改良したもので、政治の自主、経済の自立、国防の自衛が強調されています。しかし、結果的には金一族を神格化・絶対化する体系になっています。
ナショナリズム
国としての利益を優先し、国としての伝統を守ることを優先する思想です。ナショナリズムは「ネイション(国民、民族)」という言葉から来ていますが、ネイションの概念も昔と今では変わっていたりするため、なかなか定義しづらい思想でもあります。
コーポラティズム
国家、あるいは社会などの集団の連携と協調を重視する思想です。また、政策の決定に経営者組織(日本で言えば経団連など)や労働者組織(連合など)を参加させる仕組みをコーポラティズムということもあります。経営者と労働者に政府を加えた3者が、お互いの妥協点を探しながら利害を調整して政策を決定する仕組みをネオ・コーポラティズムと言います。
民主社会主義
革命を否定し、議会制民主主義の中で社会主義の理想を実現することを目的とした比較的穏健な社会主義思想です。資本主義社会を改良することを訴えるものであり、かつては社会改良主義とも呼ばれていました。
現実主義
国際関係を国益と勢力均衡の面から分析する立場で、リアリズムともいいます。国家の至上目標を国家の生き残りのために国家は安全保障を最重視し、そのために軍事力が用いられ、それが国際的な事象につながるという考え方です。軍事力や国益を重視しますが、国家が好戦的であることを意味するものではありません。
国際協調主義
国際関係を国際法や国際機関から分析する立場で、リベラリズムということもあります。平和が万国の利益であると考え、経済的・文化的交流によって戦争は未然に防げるという立場にあります。現実主義とは対立する思想ですが、最近は現実主義と国際協調主義を織り交ぜた新しい形の議論も増えてきています。
保守
従来の考え方、伝統、習慣、社会制度などを重視し、それらを保存、維持していくことを重視した思想です。社会が多様化した昨今において、保守の内容も一義的に定義できないものになっています。一口に保守と言っても宗教を基盤にしたものやナショナリズムに近いものなど多々あります。
革新
従来の考え方、伝統、習慣、社会制度などを改良、改善していくことを重視する思想です。保守とは対立する思想です。保守は伝統的価値観に触れる機会が多い地方と親和性が高いのに対して、革新はそうした価値観がない都市部と親和性が高いです。社会主義や共産主義とも近しい立場にあります。
アナキズム
国家の存在を望ましく思わない、あるいは害のあるものであると考え、国家、政府をなくすことを目標とした思想です。社会主義、共産主義の立場からアナキズムを主張するものもいれば、自由主義、個人主義の立場から主張するものもいます。
リバタリアニズム
経済的、あるいは個人的な自由を良いものとする思想です。他者の身体、財産を侵害しない限り、人間は自由であるべきと考えます。徴税によって富を再分配する行為は国家による収奪であると考え、貧困者への救済は国家の強制ではなく自発的な仕組みによって行われるべきだと主張します。
最小国家主義
政府の影響力は最低限に留めるべきとする思想です。他国の軍隊の侵略から自由を保護するために、政府が必要であるとするものの、個人の自由を最大化するために政府の力は最小限に抑えるべきである、と考えます。リバタリアニズムと極めて親和性が高い思想です。
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