FX取引は多くのトレーダーが自分に使いやすいインジケーターやチャートを利用しながら売買のエントリーポイントや決済ポイントを考えたりするものですが、それとはまったく対照的に前日の相場の高値や安値といったポイントだけ頭に入れつつ、相場の実際の価格変動やローソク足の動きだけに注目することで売買をしていくプライスアクショントレードで大きな成果を上げてるトレーダーも多く見られます。

このプライスアクショントレードは一体どのように行っていくことになるのか、今回はこのテーマにフォーカスしてみたいと思います。

プライスアクショントレードの定義

プライスアクショントレードというのはよくFXの世界では聞く言葉であると思いますが、正確な定義をしておきますと、ローソク足を利用して市場参加者の相場心理を把握、推測しながら売買を行っていくトレード手法ということになります。

達人の域になるとローソク足も見ないで価格のパネルだけを見ながら買いや売りをするという凄腕をもっているケースもあるのです。

そのぐらい相場の価格変動はトレーダーに多くの情報をもたらしていることがわかります。

プライスアクショントレードの対象はFXにとどまらず、あらゆる相場で利用が可能となります。

また時間軸も1分足や5分足といった驚くほど短いものでもワークする手法であると言われています。

ローソク足の形に着目

ほとんどのトレーダーはプライスアクションのベースとしてローソク足を利用しています。

ローソク足は日本人が考案した世界に誇るテクニカルツールです。驚いたことにこれは江戸時代に考案され、大阪堂島の米取引で使われたところから世界的に普及する存在となっています。

1本のローソク足を通してはご存知のとおり、4つの情報(安値、高値、始値、終値)を得ることができます。

※出典 http://www.fx-west.com/

当時の米の商人はこのローソク足の動きだけを見て相場の方向性といったものをしっかり把握していたといわれ、すでにこの時代からプライスアクショントレードを行っていたことがわかります。

ローソクの始値ではあらかじめ設定した週、日、分などの特定時間において最初に取引された値が表示されることになります。

終値はその週や日、特定時間で最後に取引された価格ということになります。

そして高値はその設定期間中のもっとも高い値が表示され、安値は同じくその設定時間内でもっとも安い値が表示されることになるのです。

ローソク足が始値よりも終値が高く終了した足を陽線と呼びます。

胴体部分の始値が下に表示され、終値は上に表示されますが、その間の高値と安値は上ヒゲや下ヒゲとして表示されることになります。

また始値よりも終値のほうが下がってしまった場合には陰線と呼びます。

胴体の部分を色分けすることで相場が一定期間内に上がったのか下がったのかを視覚的に把握できるのも秀逸なツールといえます。

ここまではローソク足を知っているトレーダーなら誰でも無意識に情報を得ているものですが、その中でも特に重要な動きをこれから記載していきます。

インサイドバーとアウトサイドバー

ローソク足を利用するにあたって見逃すことができないのがインサイドバーアウトサイドバーの存在です。

※インサイドバー、アウトサイドバー
インサイドバー&アウトサイドバーインサイドバーは前の時間帯の相場の高値と安値の間に次の相場の動きが収まってしまうことをいいます。

日本のはらみ線はこの動きがローソクの実体の中に納まる必要がありますが、インサイドバーは一応高値、安値の中に入っていればヨシとされています。

このインサイドバーが出るということはいわゆるもみ合い状態で、方向感がなく、その後に上か下かの方向に相場が抜けていくことを示唆しています。

したがってインサイドバーがでたら次の方向についていけばいいということになるわけです。

逆にアウトサイドバーの場合には前の時間帯のローソク足よりも上下が大きくなり、終値が前のローソク足よりもに位置しているものはベアリッシュアウトサイドバーと呼ばれ、逆に前のローソク足よりもに終値が位置しているものはブリッシュアウトサイドバーなどとも呼ばれています。

アウトサイドバーは相場反転の確率が高くなることを示唆しており、ベアリッシュアウトサイドバーの場合には下方向に動くことになりますし、ブリッシュアウトサイドバーですと上方向に動きだす確率が高くなります。

言葉で書きますとなんともややこしい雰囲気がしてきますが、実際のローソク足を見れば視覚的に理解できますので、非常に簡単な相場示唆情報といえます。

市場参加者の意識が集まる価格帯を見つける

市場参加者は前日の高値、安値、終値など結構同じようなポイントを気にしながら売買しているものです。

こうしたポイントにはストップロスが置かれることも多くなりますので、相場の裏側に隠された市場参加者の心理を読み解くこともプライスアクショントレードでは重要になります。

こうした状況はローソク足の動きだけでも把握することができるのです。

個人投資家が顕著な存在となりますが、人は同じような相場環境に身をおいていますと何度となく同じような反応をすることは行動心理学などでもすでに解き明かされていますが、為替相場もまったくそれと同じで、みな同じようなポイントでエントリーし、損切りも似たようなポイントにおいていることが多いのです。

インターバンクのディーラーや投機筋などもこうしたポイントをかなり意識して相場を動かしており、オプションの仕掛けなどもこうした見通しを通じて行っていることが多くなります。

ローソク足を丹念に見続けていますと、相場の裏側の市場参加者の心理もみえてくることになります。プライスアクショントレードで成功しているトレーダーはこうした心理戦を勝ち抜いていることになるのです。

ドル円のように本邦の個人投資家が集まりやすい通貨ペアでは、市場参加者の心理はひとつの価格ポイントに集まりがちといわれ、ストップロスを無理やりつけされられたりする動きも非常に出やすくなるといわれています。

こうしたポイントを見つけだすのがプライスアクショントレードの妙味となっているのです。

AIで行うプライスアクショントレードはチャートの形を利用するケースも

個別の相場の価格の動きに注目するのが人が行うプライスアクショントレードですが、AIのディープラーニングをベースにしたプライスアクショントレードはさらにチャートの形を詳細認識してその後の相場の動きの確率の高い方向へ売買をするというやり方をはじめているようです。

自動運転車技術のNVIDAはGPU・グラフィックプロセッシングユニットの開発で有名ですが、チャートの形から過去でもっとも近いものを瞬時に見つけ出し連続して売買を行う手法がFXの世界にもいよいよ登場しそうな状況です。

すでに過去のチャートとマッチさせる機能は多くのFX業者でもサービス提供されていますが、その精度をより高く、瞬時に判断することになるというわけです。

当然ローソク足の足形にも注目しており、その背後にあるトレーダーの心理をAIが分析する時代もごく近くに迫っている状況です。

このようにプライスアクショントレードの手法は、今後とも重要なFXの売買の指針となることが予想され、AI実装時代の個人投資家のFX投資手法としてもかなり重要な存在であることがわかります。

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個人投資家を応援するブログを360°FX運営しています。 FX歴2007年~、トレード手法で使うのは水平線、ダイバージェンス、ヒドゥンダイバージェンス、プライスアクション、フィボナッチ。FXの月間最高実績2500pips、最近は仮想通貨にハマり、主にアルトコインに分散投資中。