以前の記事「社債と株式の違い」で社債の仕組みについてお話させていただきましたが、社債と一口に言っても様々な種類のものがあります。中でも近年注目されているのが転換社債です。
転換社債は途中で株式に変えられる
元本に対して一定の割合で利息が支払われ、満期が来ると元本が支払われるだけの一般的な社債を「普通社債」と言います。通常、社債という言葉が出てきたときには普通社債を指していることが多いです。
一方、転換社債は普通社債ににさらに株式に転換する権利がついてくる社債です。所有者がその気になれば、持っている社債を株式に変えてもらうことができるのです。もちろん、その権利を行使せず、社債として持ち続けることもできます。
転換社債のメリットとデメリット
転換社債のメリットは、株価が上昇しても、下落しても儲けるチャンスがあることです。株価が上昇した場合は、持っている社債を株式に交換すれば、値上がり益を得ることができます。逆に株式が下落した場合は、社債のまま持ち続ければ利息と元本を受け取ることができます。つまり、どちらに転んでも利益が上げられるわけです。
これだけ見れば一見完璧にも思える転換社債ですが、もちろんデメリットがないわけではありません。まず、転換社債の利率は通常、普通社債の利率よりも低めに設定されています。そうしないと誰も普通社債を買ってくれないからです。低金利時代の現代においては、金利が0%の転換社債がほとんどです。つまり、持ち続けても損はしないけれど、得もしないというわけです。
また、多くの転換社債には抽選償還が予め設定されています。抽選償還とは、抽選によって償還する債券を決定し、償還することです。もしこの抽選に当選してしまった場合、額面で強制的に償還されてしまいます。たとえ償還期間が5年であっても、1年目に当選してしまえば強制的に償還されてしまうわけです。当然、当初予定していたよりも受け取れる利息は少なくなってしまいます。
なお、抽選に当選してしまった後でも、転換社債を株式に転換することは可能です。もちろん、株式に転換した以上元本保証はなくなってしまうので注意が必要です。
転換社債はどうやって買うの?
転換社債が発行される場合、証券会社を通じて募集が行われます。普通社債ほど頻繁に発行されるわけではないので、証券会社に口座を開設して、ホームページを定期的にチェックするといいでしょう。
転換社債はユニークな社債だが、投資初心者には難しい一面も
転換社債は社債として持ち続けることも株式に転換することもできる非常に面白い声質を持つ社債ですが、一方で社債として持ち続けるか株式に転換するかの判断を自分で行わなければならないため、投資初心者には厳しい一面もあります。社債として持ち続けたら株価が上がったり、株式に転換したら株価が下がってしまったり、と言うのはよくある話です。
初めて社債投資をする場合は、普通社債から始めることをおすすめします。普通社債は株式に転換できないぶん利率が高く、発行元が倒産しない限り元本割れすることもないので投資のコツを掴むのには最適です。転換社債に手を出すのは、十分な判断力が付いてからでも遅くないでしょう。
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