投資信託を始める上で注意しなければならないのが、様々な機会で発生する手数料です。投資信託で手数料を払いすぎているという自覚がある方は、今すぐポートフォリオを見直す必要があります。手数料が安いインデックスファンド(後述)へと組み換えを行えば、今より6%ほど年利をアップさせることも不可能ではありません。

3つの手数料を抑えれば、自然と運用益が増えていく

投資信託にかかる手数料には購入時の「買付手数料」、投資信託を所有する時の「信託報酬」、投資信託を売却するときの「信託財産留保額」の3つがあります。ファンドにもよりますが、買付手数料は0~3%、信託報酬は0.1~3%程度、信託財産留保額は0.5~1.0%程度かかります。

買付手数料が3%、信託報酬が3%、信託財産留保額が1%のファンドを1年運用しようとすると、手数料だけで7%も取られてしまうことになります。これを打ち消すためには、年利7%以上の運用を行わなければなりません。仮にそのファンドが年利7%で運用されたとしても、実質的な利益は0%です。

しかし、買付手数料0%、信託報酬0.5%、信託財産留保額0.5%のファンドならば手数料は1%となります。このファンドが年利7%で運用されれば、実質的な年利は6%になります。どちらがお得かは言うまでもないですね。

買付手数料は0%以外のファンド以外を買うべきではない

買付手数料に関しては、基本的に0%以外のファンドは買わないほうがいいでしょう。このような投資信託をノーロード投資信託と言います。かつては数が少なく選択肢も限られていたノーロード投資信託ですが、最近はネット証券会社を中心に取扱が増えてきています。

例えば、SBI証券や楽天証券はいずれも500本以上のノーロード投資信託を取り扱っています。ノーロード投資信託はインデックスファンドがほとんどです。

信託報酬は株式ファンドなら1.3%債券ファンドなら0.8%が目安

信託報酬は基本的にどのファンドでも有料で、0%になることは通常ありませんが、安いほうがいいことには代わりありません。信託報酬は株式ファンドならば1.3%、債券ファンドならば0.8%程度が目安となります。株式ファンドのほうが高いのは、株式ファンドのほうが運用が複雑になりがちで、平均的なリターンも高いからです。高いターンのためには、ある程度の信託報酬は我慢する必要があります。

なお、注意点として、信託報酬はファンドを保有し続ける限りは毎年かかることが挙げられます。そのため、長期保有を前提に考えている場合ほど、より信託報酬に気を使う必要があります。逆に頻繁に売買を繰り返す場合は買付手数料を重視した方がいいでしょう。

信託財産留保額はあまり気にする必要はないが、安いに越したことはない

最近は信託財産留保額が無料、もしくは一定の期間保有した場合は無料というケースも多いです。仮に有料になったとしても、信託財産留保額は買付手数料や信託報酬と比べると低いため、それほど気を使う必要はありません。買付手数料や信託報酬でほぼ差がなかった場合のみ、判断材料としてもいいでしょう。

手数料が安いファンドは危険ではないのか?

一般的な感覚で考えれば、手数料が低いファンドは粗悪ファンド、高いファンドは優良ファンドであるように思えます。しかし、実際にはそうではありません。手数料が高いファンドのほうが、むしろ運用実績では負けているのです。

ファンドは大きく、日経平均やTOPIXといったような指標に連動して動くように設計されたインデックスファンドと、その指標を上回るように設計されたアクティブファンドに分けることができます。アクティブファンドはインデックスファンドと比べて目標とするところが高いぶん、多くのファンドマネージャー(ファンドを運用する人)が関わっており、買付手数料、信託報酬のいずれも高めに設定されています。

しかし、実際に良い運用成績を上げているのはインデックスファンドの方です。アクティブファンドの7割程度は、インデックスファンドの成績を下回っているのです。つまり、多くのアクティブファンドは、わざわざ高い手数料を取って余計なことをして、お金のかかっていないインデックスファンドに負けているのです。

それでもアクティブファンドが売れる理由

そのような現実があるにも関わらず、実際に投資信託の場で売れているのはアクティブファンドです。アクティブファンドが売れる理由はいくつかあります。まず、証券会社がアクティブファンドを積極的に押し出していることが理由に挙げられます。証券会社にとって大切なことは、投資家が儲かるかどうかではなく、自分たちの企業が儲かるかどうかです。企業の儲けが大きいのはアクティブファンドなので、そちらを推すのは当然といえます。

また、知識もなくアクティブファンドを選んでしまう投資家にも問題があります。「手数料が高いんだからその分優秀な金融商品なんだろう」という思い込みで手数料が高いファンドを買ってしまい、手数料でジリジリと資産を減らしていく投資家は少なくありません。

もちろん、アクティブファンドの中にも良いファンドはあるでしょう。しかし、数あるアクティブファンドの中から、ほんの一握りの有料ファンドを選ぶのはまず不可能です。そんな少ない可能性にかけるくらいならば、最初から手数料が安いことがわかっているインデックスファンドに投資したほうがよっぽどお得です。

どうしてもアクティブファンドを買いたい場合の注意点

アクティブファンドを買いたい場合は、必ず理解できるものを買うようにしましょう。説明を読んでどのような投資をしているか、どれくらいリスクがあるのか、なぜその基準価額が上昇/下降しているのかがわからない場合は、魅力的に見えても避けたほうが無難です。プロが推奨しているから、と言うのは理由になりません。プロが推奨するのはプロが儲かるからです。

まとめ

ファンドを選ぶ上で手数料の多寡は非常に大切なポイントです。無論手数料だけを見て選ぶのが必ず正解というわけではありませんが、手数料が高いから優秀なファンド、と思いこむのはそれ以上に危険です。初心者の場合は過剰に複雑で手数料が高いアクティブファンドは避け、仕組みが理解しやすいインデックスファンドを中心に投資していきましょう。

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