近年ETFによるインデックス運用が活発化している。ETFとはExchange Traded Fundsの頭文字を取ったもので上場型投資信託を意味している。ETFは上場型で証券取引所に上場しているから株式と同じように売買ができて、証券会社によっては信用取引も可能である。ただ株式と違いETFの場合は、マーケットメーカーという値付け業者が居て、それらとETFの売買をすることになる。ETFは販売会社を通さないから信託報酬は販売会社の取り分が無い分、オープン型投資信託よりも低い仕組みになっている。しかし証券取引所に上場費用を払っていて、その分を経費として運用成績から差し引かれているから、コスト的にはオープン型とそう差が無いと思うべきだ。
インデックスとは株価指数のことを言う
ETFの上場銘柄は日経225やTOPIX(東証株価指数)などの特定の指数に連動するように組成されていて、インデックス運用で運用されている。インデックス運用は特定の指数に完全連動するように保有銘柄の配分を調整して運用されている。インデックスは指数のことだからインデックス運用は指数運用のことだと思えばいい。ブルベア型の場合は同じインデックス運用だが指数の2倍3倍の値動きを目指したり、反対の値動きを目指したりする。インデックス運用は、あくまでも指数に完全連動を目指す運用だからアクティブファンドのように活発に売買することはない。パッシブに運用されるから売買コストはアクティブファンドよりもかなり低く、機械的に運用するから企業調査などの費用も必要ないから、コストがアクティブファンドよりもかなり抑えられるメリットがある。ただ目標の指数より運用結果が乖離する場合があり、それをトラッキングエラーと言って、トラッキングエラーが大きいとインデックス運用は問題があるということになる。
ETFに対しての誤解
ETFはファンドの受益権を市場で売買するためオープン型投資信託と違い、ファンドに資金が出入りしないと勘違いされるが、実際は売買を通じて資金の出入りがある。ETFはマザーファンドで他の指数に連動を目指すファンドと一緒に運用されていて、受益権を委託会社が販売して、受益権をマーケットメイカーが引き受けて投資家達に市場での取引に応じている。マーケットメーカーは投資家達の注文に応じられるようにある程度の受益権を保有しなくてはいけなくて、受益権を投資家達に売却して保有する受益権が不足してきたら、受益権を売却して得た代金で、委託会社から新たな受益権を購入する。委託会社はマーケットメーカーに受益権を売却して得た代金をマザーファンドに組み入れて、マザーファンドはその代金分指数に連動するように株式等を購入する。逆に投資家達がETFを売却した場合は、マーケットメイカーが投資家達から受益権を買うことになり、保有超過になった場合は、余剰分を委託会社に買い取ってもらうことになる。委託会社は買い取った受益権分マザーファンドの持ち分を売却して現金化して、代金を支払う。
インデックスファンドはあくまでも擬似的なファンド
インデックス運用は指数に完全連動を目指す運用だから、株価指数を構成する銘柄だけを買えば目的を達成するように思える。しかし指数は売買手数料を考慮しないで構成されているから、手数料を払って指数を構成する銘柄を買っても、手数料の分だけ指数から下方乖離することになる。しかも資金の出入りで売買手数料を払い続けるから、運用を続ければ手数料分下方乖離が広がっていくことになってしまう。それではインデックス運用ではない。この為値動きが指数に完全連動するような銘柄構成の擬似ファンドがインデックス運用として運用されている。その為指数と同じ組み入れ比率ではなく、日経225の場合は値嵩株のファーストリテイリングが一番組み入れ比率が高くなっている。他にも完全連動を目指すために一部で株価指数先物取引を行っている。債券などは利回りの関係で組み入れ比率を変更しても、完全連動が難しくトラッキングエラーが継続的に発生してしまう。ブルベア型になると2倍3倍の変動を目指すといっても実際はそれ以下の変動というのが多く、さらに先物だけでなくオプションを組み入れて何倍もの変動を目指しているから、時間が経つごとに組み入れたオプションの価値が減少して、基準価額の減少が大きくなる問題があり、ブルベア型のETFは短期的には良いかもしれないが、長期的には保有しない方がいい。
ETFは運用に関してはオープン型と変わらない
ETFもオープン型のインデックスファンドも同じマザーファンドで運用されていたりするから、運用成績はどちらも変わらないと思っていた方がいい。マザーファンドが違っていても、指数に完全連動を目指すことには変わりなく、さほど差がつかないのが現実だ。だから同じ指数に完全連動を目指すETFやオープン型なら委託会社の違いなど気にせずに買えばいい。信託報酬などもトラッキングエラーの是正で信託報酬の差が影響しなくなっているから、その点も気にする必要はない。ただ不人気ETFは上場廃止になる恐れがあるから、その点は気を付けた方がいい。
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