FXトレードをしていて悩む事の一つに、「今出ているトレンドがどこまで進むのか」という事が挙げられます。例えば保有しているポジションの利益確定のポイント、逆張りでのエントリーポイントとして多くのトレーダーが研究をしています。
判断の仕方は無数に存在しますが、その一つにチャートパターンというものがあります。チャートパターンはいわゆる値動きの推移であり、相場がその局面毎にある似通った動きをするというものです。何故似通った動きをするのか、そこには局面毎に発生する市場心理が作用しています。
今回は、トレンドの転換点に出現しやすいチャートパターンについて考察していきたいと思います。
ダブルトップとダブルボトム
日本では二点天井、二番底とも呼ばれています。
チャートの形態としては同程度の高値、安値を二回付けるという事となります。
ダブルトップ
ダブルボトム
それぞれ①が一回目、③が二回目の高値、安値となります。またそれぞれにネックラインが存在し、この水準を超えるか超えないかでトレンド転換の確度が変わります。
ですのでネックライン際は売り買いが交錯しやすく、超えた時はネックラインを超えさせたくない側のストップを巻き込むので、値動きは新しいトレンド方向に加速する傾向があります。
ではこのパターンでは、どの様な心理が作用しているのでしょうか。上記チャートの数字毎に段階的に解説していきます。※ダブルボトムの観点は()内に記します。
①進んでいた上昇(下降)トレンドが、待ち構えていた売り方(買い方)に阻まれ押し戻される。
②再度、押し目(戻り)待ちをしていた買い方(売り方)を巻き込み再び上昇(下降)する。
③待ち構えていた売り方(買い方)に再度阻まれ押し戻される。
④高値(安値)を二度超えられなかったため、売り方(買い方)が勢いづきネックライン際で攻防。
この攻防を買い方(売り方)が制すとトレンド転換は成されていないと判断し、売り方(買い方)側が制しネックラインを超えて値を伸ばすとトレンド転換が成されたと判断します。
ヘッド&ショルダーズとインバース・ヘッド&ショルダーズ
ヘッド&ショルダーズとは、相場の値動きが三尊の形を辿る事です。
真ん中に大きい山、両脇に同程度の小さい山が形成されるという事です。
インバース・ヘッド&ショルダーはその逆です。
日本ではそのまま、三尊、逆三尊と呼ばれる事もあります。
ヘッド&ショルダーズ
インバース・ヘッド&ショルダーズ
それぞれ③が真ん中の大きな山、①と⑤が両脇の小さい山となります。
こちらもネックラインが存在し、これを超えるとトレンド転換の確度が高まります。
同様にネックライン際は売り買いが交錯しやすく、超えた時はネックラインを超えさせたくない側のストップを巻き込むので、値動きは新しいトレンド方向に加速する傾向があります。
この場合は②と④の二点からネックラインを判断する事となりますが、上記のヘッド&ショルダーズの様に二点の水準が合わない事も往々にあります。
むしろ合う方が少ないです。
厳密な規定はありませんが、そういった場合は深い方(上記ヘッド&ショルダーズのチャートだと②)を基準にするのが一般的です。
ではこのパターンには、市場のどの様な心理が作用しているのでしょうか。上記チャートの数字毎に段階的に解説していきます。
※インバース・ヘッド&ショルダーズの観点は()内に記します。
①進んでいた上昇(下降)トレンドが、待ち構えていた売り方(買い方)に阻まれ押し戻される。
②再度押し目(戻り)待ちをしていた買い方(売り方)を巻き込み再び上昇(下降)する。
③①を上抜ける(割り込む)も、その上の待ち構えていた売り方(買い方)に阻まれ押し戻される。
この時、一度突破したためにサポート(レジスタンス)となっているはずの①を割り込む(上抜ける)。
④三度、押し目(戻り)待ちをしていた買い方(売り方)を巻き込み再び上昇(下降)する。
⑤③で①を割り込んだ(上抜けた)ため、①に近い水準で売り方(買い方)に待ち構えられ押し戻される。
⑥⑤で押し戻された事で高値(安値)が切り下がり(切り上がり)、売り方(買い方)が勢いづきネックライン際で攻防。
この攻防を買い方(売り方)が制すとトレンド転換は成されていないと判断し、売り方(買い方)側が制しネックラインを超えて値を伸ばすとトレンド転換が成されたと判断します。
ソーサートップとソーサーボトム
お皿の底の様な丸い値動きとなる事からソーサーと呼びます。
先述で紹介したダブルトップ(ダブルボトム)とヘッド&ショルダー(インバース・ヘッド&ショルダー)の様に荒い値動きではなく、ジワジワと転換していくのが特徴です。
その後、プラットホームという短期的な揉み合いになる傾向があります。
ソーサートップ
ソーサーボトム
①の辺りからトレンドが弱まっていき、②の水準で徐々に逆の向きに動いていきます。
その動きが強まった③の水準で押し目買い(戻り売り)が起こり、そこから④の様にプラットホームに突入します。
この③の安値(高値)がネックラインとなり、プラットホーム内での揉み合いからネックラインを超えた時にトレンドが転換したと判断します。
ではこのパターンには、市場にはどの様な心理が作用しているのでしょうか。
上記チャートの数字毎に段階的に解説していきます。
※ソーサーボトムの観点は()内に記します。
①買い方(売り方)が減ってきた、若しくは待ち構えていた売り方(買い方)の勢いが強い水準に入ってきた為、上昇(下降)が徐々に弱くなっていく。
②高値(安値)を付け、買い方(売り方)より売り方(買い方)の勢いが徐々に強くなってきたため、相場の向きが徐々に逆転していく。
③逆の方向の動きが大きくなると、押し目(戻り)で待ち構えていた買い方(売り方)から買い(売り)が入る。
④売り方(買い方)も押し目買い(戻り売り)を迎え撃ち、両者の攻防となる(プラットホーム)。
そしてプラットホーム内での揉み合いながら、ソーサトップのパターンであれば買い方が、ソーサボトムであれば売り方が勝ちネックラインを超えればトレンドが転換したと判断します。
実際のトレードにおいての対応方法
チャートパターンが発生し、トレンド転換が確認できるネックラインを超えたところでエントリーするのが基本です。
エグジットに関しては、そのトレーダーがどれだけの利益を望むのかによって異なってきます。
相場がネックラインを超える事を前提とするなら、その前に実行した方が利益は大きくなります。
ただ、チャートパターンを形成してもネックラインを超えず、トレードが継続するケースも往々にありますので、その時は早仕舞いをしてしまう事になります。
またチャートパターンは毎回発生するわけではありませんし、また発生していても形成を判断できない事もケースもザラにあります。
この判断力はどうしても慣れが必要となりますので、チャートの形を意識して見ておく事が肝要です。
«記事作成ライター:神川 龍人»
大手邦系証券会社にて国際事務部門・FXブローカーにてフロント業務、及びカバーディーリング業務に従事・邦系ファンドにて運用業務に携わる。
現在はプロップハウスにてトレーダーとして従事しながら、マーケットに経済系セミナー等の講師も随時務める。
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