ロボ・アドバイザーとは人に代わり、投資家の目標リターンやリスクの範囲などの運用方針と投資金額や投資期間等の情報をもとにポートフォリオを作成し、独自のアルゴリズムで資産運用を自動で行うものだ。

金融とテクノロジーが融合するフィンテック時代になり、今まで一部の資産運用会社(ヘッジファンド)が用いてきた高度なアルゴリズムによるファンド運用が、テクノロジーの進化によりコモディティー化しつつある。

通常、投資家が証券口座を開設して投資を行うには、目標金額や運用期間に応じ、多くの選択肢の中から適切なファンドや債券を選びポートフォリオを組まなければならない。また、実際に運用を行うには、市況の変化に応じてポートフォリオの比率や入れ替えを行う必要があるため、片手間で素人が運用を行うにはハードルが高く、リスクも伴う。しかしロボ・アドバイザーの登場で初期設定さえしてしまえば、自動で資産運用してくれる。

ロボ・アドバイザーで資産運用を始めるには、スマホやPCで提示された、いくつかの簡単な質問に答えていくと、ロボ・アドバイザーが最適なポートフォリオを総合的に判断してユーザーに提案して、その内容にユーザーが同意すれば、そのポートフォリオにより、資産運用が開始される。あとは、インターネット上の専用口座で時折、運用状況を確認するだけでよい。

ロボ・アドバイザーの比較 

各証券会社が提供しているロボ・アドバイザーの機能や特徴を比較してみよう。

 お金のデザイン 「THEO」

お金のデザイン THEO

THEOは、プラン作成無料、購入、為替手数料無料、投資一任報酬は預かり資産の1.0%(年率)。THEOのポートフォリオは、およそ40種類のETFから構成される。バリエーションは世界86の国・地域にわたり、 最終的な投資対象は11,000銘柄以上。また、投資金額は10万円からとなっており、約26万人が体験済みで、期待リターンは4.8%となっている。

ウェルスナビ 「WealthNavi」

「Wealth Navi」では、簡単な6つの質問を用意し、投資に対するリスク許容度を診断している。独自の金融アルゴリズムによる国際分散投資を行い、発注もリバランスもすべて自動だ。診断無料、購入、為替手数料無料で、利用手数料は預かり資産の評価額に対して1%(年率)。また、投資金額は100万円からとなっており、預かり資産が3,000万円を超える部分は1%でなく0.5%(年率)の割引手数料が適用される。まとまった資金を運用したい場合には、最適であるといえる。
ウェルスナビのサイトへ

エイト証券 「クロエ」

クロエの投資対象は、東京証券取引所に上場しているETF(上場投資信託)のみとなっているため、円ベースでの投資ができる。また、海外のETFは低コストの銘柄が多いため、トータルコストで競争力がある。しかし為替リスクがあるため、国内のETFを組み合わせることで、この為替リスクを回避することができる。投資額は1万円からできるため、毎月の積立投資を行う方向けともいえる。

マネックス・セゾン・バンガード投資顧問 「マネラップ(MSV LIFE)」

マネラップ(MSV LIFE)の投資対象は国内外のETFで、口座開設はマネックス証券から行える。最大の特徴は、唯一、他のロボ・アドバイザーと異なり、積み立てだけでなく取り崩しにも対応している。また、投資金額は1万円からとなっており手軽に始めたい方向けといえる。

楽天証券 「楽ラップ」

楽ラップは、投資の対象が「投資信託」であり、手数料が「固定報酬型」と「成功報酬型」の選択ができる点が特徴だ。投資金額は10万円から。

松井証券 「投信工房」

投信工房では、積立投資の最低額が500円のため、投資初心者でもワンコイン貯金のつもりで手軽に始められことができる。自動で定期的に購入する「投信積立」は、購入のタイミングをはかる必要がなく、リスクを分散できるため、ほったらかしの投資手法と言える。積立のペースは自由に設定でき、目標のポートフォリオに合わせて最適な配分で積立をしてくれる、「リバランス積立」という機能がある。こちらも手元資金がなく、投資知識がない初心者をターゲットにしていると言えるだろう。

大和証券 「ダイワファンドラップ オンライン」

ダイワファンドラップオンライン利用手数は、1.08%に投資信託の信託報酬(それぞれ0.2~0.3%程度)を加えたもので、最低投資金額は50万円から。

各証券会社とも、投資一任報酬は1%前後となっており、投資対象は軒並み、国内および海外のETF、投資資信託から選ぶことができる。最低投資金額はエイト証券 「クロエ」とマネックス・セゾン・バンガード投資顧問 「マネラップ(MSV LIFE)」が1万円で取り組みやすさがあり、また、松井証券 「投信工房」では500円積み立て投資ができる。お試しで投資をした場合は最適といえる。そして、ウェルスナビ 50万~100万円の資金を資産運用したい方は、「Wealth Navi」、大和証券 「ダイワファンドラップ オンライン」が選択肢となるだろう。

ロボ・アドバイザーと国内の投資環境

今までの投資は株にせよ、投資信託にせよ、投資商品知識がないと、運用を成功させることが難しく、気軽に始めるにはハードルが高いと言えた。しかし、ロボ・アドバイザーの登場で、簡単な質問に答えるだけで、ポートフォリオを総合的に判断して、リスク分散した資産運用の案を提示してくれるので、初心者でも安心して投資に取り組めるようになったといえる。特に、商品知識や経験の薄い若い20代や30代が投資に取り組むようになることが期待されている。また、現在の投資一任報酬は1%前後で欧米の手数料と比較し高く設定されているため、今後、多くの投資家がロボ・アドバイザーで投資を行い、またテクノロジーが進化すれば、手数料が引き下げられ、国内の投資環境が欧米並みに整ってくれば、さらに資金が投資に向かうことが期待される。

ロボ・アドバイザー活用のすすめ

フィンテックによって、ロボ・アドバイザーは人のアドバイスを介さない画期的なシステムであるといえるが、あくまでも投資は自己責任であることを忘れてはならない。そのため、最低限の投資知識を持つことや、為替や株価、国際情勢の動きを自分自身でも日々、チェックすることは必要と言える。また、政治・経済を学ぶ上でも、手軽に始められる新しい投資の仕組みを活用するべきではないだろうか。

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